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データ基盤

Databricks宣言型自動化バンドルとは?旧アセットバンドルの仕組み

2026/10/12 シリーズ「Databricks 入門」 第8回 / 全9回

  • 宣言型自動化バンドル
  • Databricks
  • アセットバンドル
  • Lakeflow ジョブ
  • CI/CD
  • databricks.yml
  • ターゲット
  • 開発モード
  • サービスプリンシパル
  • デプロイ
  • タスク
  • Git フォルダー
  • 修復実行
  • Terraform
  • ワークスペース
  • オペレーショナルエクセレンス
目次
背景・問い・要点
背景

Databricks で毎晩動かす処理は、ジョブとして登録する。ジョブは画面から作れるが、画面で作ったジョブの設定は、処理のコードとは別の場所にあり、誰がいつ何を変えたかが Git に残らない。開発用と本番用の環境に同じジョブを作るには、画面で同じ操作を二度行うことになる。

Databricks の宣言型自動化バンドル(英語では Declarative Automation Bundles)は、ジョブの定義と処理のコードを一つのプロジェクトにまとめ、コマンドで環境にデプロイする仕組みである。2026 年 3 月までの名前は Databricks アセットバンドル(Databricks Asset Bundles)で、名前が変わった後も使い方と設定ファイルは変わっていない12。Azure Databricks の日本語の文書では、宣言型オートメーション バンドルと訳されている3。本稿では、以下、単にバンドルと呼ぶ。

本稿は、注文の表を毎晩集計するジョブをバンドルで書く例を取り、バンドルをデプロイすると何がどこに作られ、画面で直すと何が起き、本番には誰がどうやってデプロイするかを、Databricks の文書をもとに説明する。

問い

バンドルは、ジョブをどう定義し、開発と本番にどうデプロイするのか。そのとき、画面での操作や失敗した実行はどう扱われるのか。

要点

Databricks の宣言型自動化バンドルは、ジョブの定義とコードを Git で管理する一つのプロジェクトにまとめ、開発と本番に同じ形でデプロイする仕組みで、本番へのデプロイは CI がサービスプリンシパルとして行うよう勧められている。 バンドルを開発のターゲットにデプロイすると、ジョブは開発者の名前を前に付けた別のジョブとして作られ、スケジュールは止められる。バンドルでデプロイしたジョブは画面では読み取り専用になり、直すときは設定ファイルを直してデプロイし直す。本番では、デプロイを行う者とジョブを動かす者を、人ではなくサービスプリンシパル(人ではなくプログラムのための ID)にすることが勧められている。失敗したジョブは、失敗したタスクから実行し直せるが、途中まで書いたデータは重複しうる。Databricks は CI/CD にバンドルを勧めるが、クラウドの側の資源と、ワークスペースの作成のような管理者の操作には Terraform を使うよう勧めている。

モデル・例示

毎晩の注文の集計をバンドルで書く

※ この節の数値は説明のための仮定で、測定値ではありません。

オンラインの店を営む会社が、毎晩 2 時に注文のデータを処理するジョブ orders_nightly を動かしているとする。ジョブは三つの段からなる。届いた注文をそのまま取り込む bronze、検証して注文の表 sales.silver.orders に書く silver、日ごとの売上に集計する gold で、それぞれ前の段が終わってから動く。

このジョブをバンドルにした Git のリポジトリには、次のファイルが入る。

orders-pipeline/
├── databricks.yml   バンドルの設定
└── src/
    ├── bronze.py
    ├── silver.py
    └── gold.py

バンドルの設定の起点は、リポジトリの一番上に置く databricks.yml という一つのファイルで、ジョブの定義などは include で別のファイルに分けることもできる4。このジョブの設定は、次のようになる。Databricks の文書の例を組み合わせて作ったもので、コンピュートの指定は省いている。

bundle:
  name: orders_pipeline

resources:
  jobs:
    orders_nightly:
      name: orders_nightly
      schedule:
        quartz_cron_expression: "0 0 2 * * ?"   # 毎日 2 時
        timezone_id: Asia/Tokyo
      tasks:
        - task_key: bronze
          notebook_task:
            notebook_path: ./src/bronze.py
        - task_key: silver
          depends_on:
            - task_key: bronze
          notebook_task:
            notebook_path: ./src/silver.py
        - task_key: gold
          depends_on:
            - task_key: silver
          notebook_task:
            notebook_path: ./src/gold.py

targets:
  dev:
    mode: development
    default: true
    workspace:
      host: https://dev.cloud.databricks.com
  prod:
    mode: production
    workspace:
      host: https://prod.cloud.databricks.com
    run_as:
      service_principal_name: <実行用のサービスプリンシパルのアプリケーション ID>

resources の下にジョブの定義を、targets の下にデプロイ先(ターゲット)を書く。src/ の三つの .py は、先頭に # Databricks notebook source と書いたノートブックの形式のファイルとする5。ここでは、開発用の dev と本番用の prod の二つのターゲットが、それぞれ別のワークスペース(Databricks の作業の場の単位)を指している。

開発者が手元で databricks bundle deploy -t dev を実行すると、開発用のワークスペースに次のものができる678。開発者の短い名前を sato とする。

  • /Workspace/Users/<開発者のユーザー名>/.bundle/orders_pipeline/dev/files の下に、src/ の三つのファイルを含むリポジトリの中身が上がる。
  • 同じ場所の state に、デプロイの記録として、作ったジョブの ID が書かれる。
  • ジョブの一覧に、[dev sato] orders_nightly という名前のジョブができる。mode: development の働きで、スケジュールは止まっている。

本番には、開発者ではなく CI(変更を合流させるたびに確認やデプロイを自動で行う仕組み)がデプロイする。流れは次のとおりである。

  1. 開発者Git のリポジトリ1. 変更をプルリクエストで出し、レビューを経て main に合流させる
  2. Git のリポジトリCI2. main への合流を合図に、CI が動き出す
  3. CI3. bundle validate で設定を確かめ、テストを流す
  4. CIワークスペース4. 本番の前に、本番以外のワークスペースへ一度デプロイして確かめる
  5. CIワークスペース5. デプロイ用のサービスプリンシパルとして、本番に bundle deploy -t prod を実行する
  6. ワークスペース6. 本番で毎晩 2 時に、実行用のサービスプリンシパルの権限で orders_nightly を動かす
※概念図(やりとり):本文の手順を図式化したもの。

別の開発者の suzuki が同じバンドルを dev にデプロイすると、[dev suzuki] orders_nightly という別のジョブができ、sato のジョブとは互いに上書きしない。本番の開始時刻を画面で急いで 3 時に変えても、databricks.yml に 3 時と書かない限り、次のデプロイでジョブは 2 時に戻る。ある夜に bronze が終わり、silver が失敗して gold が動かなかったなら、修復実行で動かし直されるのは silver と gold である。silver が sales.silver.orders に注文を追記する処理なら、途中まで書いた注文はもう一度追記されうる。

宣言型自動化バンドルとは:ジョブとコードを一つの単位でデプロイする

Databricks の文書は、バンドルを、ソース管理、コードレビュー、テスト、CI/CD といったソフトウェア工学の慣行をデータと AI のプロジェクトに取り入れるためのツールだとし9、インフラをコードで管理する(IaC)方法の一つと位置づける9。バンドルは Databricks CLI(コマンドラインのツール)の機能で、ふつうは手元で作り、CLI で対象のワークスペースにデプロイする9。2025 年 10 月からは、CLI を入れずにワークスペースの中でバンドルを編集し、デプロイすることもできる1。

バンドルに含まれるものには、処理を書いたソースファイルと、ジョブやパイプライン、ダッシュボードなどの Databricks の資源の定義があり、テストなども含められる9。処理のコードはソースファイルに、ジョブなどの資源の定義は databricks.yml の resources に書く。二つは同じプルリクエストで変わるので、ジョブのスケジュールの変更も、それが動かすコードの横でレビューされる10。

ジョブそのものは、Lakeflow ジョブという Databricks の機能である。この機能は 2025 年 6 月まで Databricks Jobs(Workflows とも呼ばれた)という名前だった11。バンドルは、ジョブを作るための別のツールであって、ジョブを動かす仕組みではない。

ジョブ:タスク、依存関係、トリガー

Lakeflow ジョブは、ジョブ、タスク、トリガーの三つの概念からなる12。タスクはジョブの中の一つの処理の単位で、ノートブック、Python のスクリプト、SQL、パイプライン、別のジョブなどを動かせる1213。タスクの間の依存関係は、有向非巡回グラフ(DAG、矢印が輪にならないつながり)で表される12。

トリガーは、ジョブをいつ動かすかを決める。決まった時刻に動かすスケジュールのほか、ストレージに新しいファイルが届いたとき、元の表が更新されたとき、前の実行が終わるたびに動かす方法がある14。

ジョブを動かすコンピュートについて、文書は、人が対話的に使う汎用のコンピュートを本番のジョブに使うことを勧めておらず15、サーバーレスのコンピュートに対応するタスクでは、それを既定として使う15。費用の面では、対話的でない処理はジョブのコンピュートの方が汎用より大幅に安い16。

開発モード:開発者ごとに別のジョブを作る

ターゲットの mode: development は、開発モードを指定する。開発モードでデプロイすると、Databricks は次のことを行う7。

バンドルは、名前とターゲットとデプロイした人の三つで区別される17。既定のデプロイ先は /Workspace/Users/<デプロイした人>/.bundle/<バンドル名>/<ターゲット名> なので6、別の開発者が同じバンドルを同じターゲットにデプロイすると、その開発者の下に別のファイルと別のジョブができる。それぞれのジョブとファイルは互いに上書きしない。ただし、それぞれがデプロイするジョブに同じ書き込み先の表を指定していれば、ジョブとファイルが別でも、データは同じ表に書き込まれる。表まで分けるには、Databricks が勧めるように、開発者ごとのスキーマ(例:dev_${user_name})を変数で切り替える18。Mechanical Rock の Maciej Tarsa は、開発モードなら複数の人が同じバンドルを互いの邪魔をせずに扱えると評価している5。

デプロイしたジョブは、名前ではなく、デプロイ先の state に記録した ID で追跡される19。そのため、設定からジョブを消してデプロイし直すと、そのジョブはワークスペースからも消える19。

本番へのデプロイ:デプロイする者と動かす者を分ける

mode: production は、本番運用モードを指定する。このモードは、デプロイする前にいくつかを確かめるだけで、開発モードのように設定を変えはしない。確かめるのは、ターゲットに Git のブランチを指定した場合に今のブランチがそれと一致するか、パイプラインが開発用の設定になっていないか、サービスプリンシパルを使わない場合に誰がどの権限を持つかが書かれているか、である7。本番運用モードが、サービスプリンシパルを作ったり、CI からのデプロイを強制したりするわけではない。

Databricks は、本番のデプロイにサービスプリンシパルを使うよう勧め、本番運用モードの文書は、run_as にサービスプリンシパルを書けばそれを強制できるとする7。run_as は、バンドルをデプロイする ID と、ジョブを動かす ID を分ける設定である20。run_as を書いたターゲットでは、ジョブはデプロイした人ではなく、run_as に書いた ID の権限で動く。ジョブの実行者を人にしておくと、その人が組織を離れたり権限が変わったりしたときに、ジョブが失敗することがある21。開発者向けの推奨の文書は、さらに、デプロイ用と実行用で別のサービスプリンシパルを使い、デプロイ用には最小限のデータの権限しか与えないよう勧めている18。デプロイ用のサービスプリンシパルには、実行用のサービスプリンシパルを使う権限(CAN_USE)が要る20。

本番のデプロイ先には、/Shared の下を使わない。/Shared はワークスペースの全員が書き込めるので、本番のコードやジョブの定義を誰でも書き換えられるからである6。文書は、本番のデプロイ先への書き込みをデプロイ用のサービスプリンシパルだけに絞るよう勧めている6。

CI からのデプロイでは、CI が Databricks に認証するための資格情報が要る。Databricks は、CI/CD の認証にワークロード ID フェデレーションを勧めている22。これは、GitHub Actions などの CI が自分の身元を示すために発行するトークンを、Databricks のトークンと交換する方法で、Databricks の秘密の値を CI に保存せずに済む23。

Databricks は、開発、ステージング、本番のワークスペースを分けることを勧めている22。データエンジニアが 5 人までの小さなチームなら、開発と本番の二つから始めてよいとする18。

画面で直すとどうなるか

本番のジョブの設定を、急いで画面で変えたいとする。バンドルでデプロイしたジョブは、ジョブの画面では既定で読み取り専用で、直すには設定ファイルを直してデプロイし直す24。どうしても画面で直す場合は、画面の「Disconnect from source」(ソースから切り離す)を押して、ジョブをバンドルから切り離す24。ただし、画面での変更はバンドルの設定には反映されず、バンドルでデプロイし直すとジョブは再びバンドルにつながる24。新しいデプロイの仕組みは、ワークスペースの側の今の状態も最後にデプロイした時点の設定と比べるので25、設定ファイルにも同じ変更を書かない限り、次のデプロイでジョブは設定ファイルのとおりに戻る。

ファイルの扱いは、これと違う。Databricks のコミュニティでの質問への回答によれば、デプロイは手元で変わったファイルだけを上げるので、ワークスペースの側でファイルを直し、手元の同じファイルを変えていなければ、デプロイし直してもワークスペースの側の変更は残る26。同じ回答は、バンドルでは手元のリポジトリが正であるとし、ワークスペースを手元と完全に一致させたいなら、デプロイした先のファイルを消してからデプロイし直すよう勧めている26。

画面で作った既存のジョブをバンドルに移すには、databricks bundle generate でそのジョブの設定ファイルを作り、databricks bundle deployment bind で既存のジョブと結び付ける2。結び付けずにデプロイすると、既存のジョブは更新されず、新しいジョブがもう一つできる19。

失敗した実行を直す:修復実行

修復実行を使うと、失敗したタスクと、それに依存するタスクだけを動かし直せる27。修復実行は、二つ以上のタスクからなるジョブでだけ使える27。

修復実行は、失敗したタスクを初めから動かし直し、タスクを冪等(何度動かしても結果が同じ)にはしない27。タスクが表に行を追記する処理で、途中まで書いたところで失敗していたなら、修復実行でそのタスクが初めから動き、すでに書いた行がもう一度追記される。文書は、修復の前に各タスクが何を書くかを確かめ、重複が問題になる場所では追記ではなく上書きやマージを使うよう勧めている27。

Git フォルダーとの違い

Databricks には、ワークスペースの中で Git を扱う Git フォルダー(以前の名前は Repos)もある28。Git フォルダーは、ワークスペースの中でリポジトリを複製し、ブランチを作り、変更をコミットして送るためのツールである28。

Git フォルダーで管理されるのはコードだけで、Git フォルダーのファイルを動かすジョブの設定は、ソース管理の外に残る29。ジョブのタスクに Git のリポジトリを直接指定する方法でも、タスクの並び、コンピュートの設定、スケジュールはソース管理の外にある29。Databricks は CI/CD にバンドルを勧め、コードだけをデプロイしたい場合には、本番用の Git フォルダーを使う方法を挙げている3029。本番用の Git フォルダーは、変更がデプロイ用のブランチに合流したときに自動で更新し、人は書き換えないものとしている30。

ジョブの Git の文書は、本番のジョブでは Git フォルダーの中のパスより、タスクに Git のリポジトリを直接指定するよう勧める31。一方、バンドルの文書は、バンドルではこの直接の指定を勧めない13。バンドルは、デプロイしたジョブが手元と同じファイルを持つことを前提にしているからである13。バンドルを使うなら、コードはバンドルと一緒にデプロイすることになる。

デプロイの仕組み:Terraform から直接の API 呼び出しへ

バンドルは、当初、Terraform(インフラをコードで管理する別のツール)の Databricks 向けの部品の上に作られていた25。2026 年 6 月に、Terraform を使わずに Databricks の API を直接呼ぶデプロイの仕組みが一般提供になり、新しいバンドルの既定になった125。CLI の 1.14 からは、Terraform の仕組みを使っていた既存のバンドルも、デプロイのときに自動で新しい仕組みに移され、1.20.0 では Terraform を使う仕組みそのものが取り除かれた25。

利用者から見える違いの一つは、設定から消した項目の扱いである。Terraform の仕組みでは、databricks.yml から項目を消しても、ワークスペースの値は前のまま残った。新しい仕組みでは、消した項目は既定の値に戻る25。既存のバンドルも自動で移されるので、残しておきたい値は、設定に明示して書いておく必要がある。

運用の優秀性:自動化と、設定のコード化

ジョブの管理や CI/CD は、Databricks の基本原則ではなく、Databricks が示す評価の柱(Well-Architected)の一つ、オペレーショナルエクセレンス(運用の優秀性)が扱う32。この柱の文書は、DevOps と MLOps の両方で CI/CD のパイプラインを使って作り、リリースすることを挙げ、デプロイと処理を自動化すると、手順がそろい、人の誤りが減り、繰り返しやすくなるとする32。そこには、設定のずれ(ドリフト)を避けるために設定をコードで管理することも含まれる32。画面で直したジョブの設定が次のデプロイで設定ファイルのとおりに戻ることは、この考え方に沿っている。

この柱の推奨の文書と、開発者向けの推奨の文書とでは、ツールの分担の書き方が違う。前者は、ジョブのデプロイと管理には Terraform の Databricks 向けの部品が推奨のツールだと書く33。同じ日に更新された後者は、Terraform はクラウドの側の資源と、ワークスペースの作成のような管理者の操作にだけ使い、それ以外の Databricks の資源にはバンドルを使うよう勧めている18。

開発者向けの推奨の文書は、バンドルの大きさについても、大きな一つのバンドルより小さなバンドルを勧め、持ち主、権限、変更の周期、戻す単位が違うものは分けるよう勧めている18。クラウドとの境にある資源では、今の新しいデプロイの仕組みは外部の保存場所(external location)を扱えるようになった25。ただし、その前提となる認証の設定(storage credential)は、バンドルで定義できる資源の一覧に無く、外部の保存場所の設定から名前で参照するだけである34。

外から見た宣言型自動化バンドル

バンドルを支持する実務者は、環境の分け方と、一つの単位でデプロイできる点を評価する。Junaid Effendi は、ジョブを Terraform からバンドルに移した経験から、Terraform の状態の問題で開発へのデプロイが他のチームの汎用クラスターを再起動させたことなどを挙げ、デプロイと保守がしやすく必要な技術も少ないとしてバンドルを勧める35。一方で Effendi は、コードと一緒にデプロイする代わりに、ジョブの設定だけを変えるときも、テストやリリースの段を飛ばす設定を CI に足す必要があると書いている35。Tarsa は、Databricks を使っていてバンドルを使っていないなら損をしていると書くが、所属する Mechanical Rock は Databricks を扱うコンサルティング会社である5。留保を付ける側では、Dateonic の Łukasz Wybieralski が、バンドルはそれだけでは安全なリリースの網にならず、テスト、承認、監視、それまでの Git の版でデプロイし直す手順が別に要ると書く10。Rabobank の技術ブログでは、クラウドエンジニアの Gijs Reijn が、2025 年 3 月の時点で、リポジトリのファイルが 2,000 を超えると、パイプラインからのデプロイがワークスペースの API の回数の上限に当たり、429 や 504 のエラーが続いたと書いている36。手元から試したときは、最初の同期の後は作った・変えた・消したファイルだけが同期されるので、上限には当たらなかったという36。

これらは、どれも一人の実務者の経験か、Databricks に関わる会社の記事である。バンドルや Lakeflow ジョブを、Databricks に関わらない第三者が手法を示して評価したものは、査読付きの論文と方法を示した調査を探した範囲では見つからなかった。新しいデプロイの仕組みでデプロイが最大 40% 速くなるという数字も、測り方の示されていない Databricks 自身の説明である25。

出典36件
  1. Databricks「Declarative Automation Bundles feature release notes」2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/release-notes/dev-tools/bundles — 2026年3月16日の改名、2026年6月10日の新しいデプロイの仕組み。 ↩ ↩2 ↩3

  2. Databricks「Declarative Automation Bundles FAQs」2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/dev-tools/bundles/faqs — 改名の理由と互換性、既存のジョブを generate と bind で移す。 ↩ ↩2

  3. Microsoft「宣言型オートメーション バンドルとは」Microsoft Learn(Azure Databricks の日本語の文書)、2026年9月11日更新、2026年10月12日取得. https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/databricks/dev-tools/bundles/ — 日本語の訳名と旧称の表記。 ↩

  4. Databricks「Declarative Automation Bundle configuration」2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/dev-tools/bundles/settings — databricks.yml は一つだけ、一番上に置く。 ↩

  5. Maciej Tarsa「An Ode to Declarative Automation Bundles」Mechanical Rock, 2026年7月15日更新. https://www.mechanicalrock.io/blog/an-ode-to-databricks-asset-bundles — 開発モード、ノートブックの見出し、使わないと損(Databricks のコンサルティング会社)。 ↩ ↩2 ↩3

  6. Databricks「Configuration reference」2026年10月7日更新、2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/dev-tools/bundles/reference — 既定のデプロイ先、files と state、/Shared を本番に使わない。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  7. Databricks「Declarative Automation Bundles deployment modes」2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/dev-tools/bundles/deployment-modes — 開発モードと本番運用モード、サービスプリンシパルの推奨。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  8. Databricks「Develop a job with Declarative Automation Bundles」2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/dev-tools/bundles/jobs-tutorial — 開発のデプロイで files に上がるもの、[dev 名前] のジョブ。 ↩

  9. Databricks「What are Declarative Automation Bundles?」2026年9月11日更新、2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/dev-tools/bundles/ — 定義、含むもの、IaC、CLI の機能(日本語版「宣言型自動化バンドルとは」)。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  10. Łukasz Wybieralski「Declarative Automation Bundles: A Practical Guide」Dateonic, 2026年8月21日. https://dateonic.com/databricks-asset-bundles-how-to-use-them-in-your-projects/ — 同じプルリクエスト、安全網にはならない(Databricks のコンサルティング会社)。 ↩ ↩2

  11. Databricks「June 2025」release notes, 2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/release-notes/product/2025/june — Databricks Jobs は Lakeflow Jobs に(2025年6月11日)。 ↩

  12. Databricks「Lakeflow Jobs」2026年10月9日更新、2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/jobs/ — ジョブ・タスク・トリガー、DAG(日本語版「Lakeflow ジョブ」)。 ↩ ↩2 ↩3

  13. Databricks「Add tasks to jobs in Declarative Automation Bundles」2026年10月1日更新、2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/dev-tools/bundles/job-task-types — タスクの種類、バンドルでは git_source を勧めない。 ↩ ↩2 ↩3

  14. Databricks「Automating jobs with schedules and triggers」2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/jobs/triggers — スケジュール、ファイルの到着、表の更新、連続実行。 ↩

  15. Databricks「Configure compute for jobs」2026年9月15日更新、2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/jobs/compute — 汎用は本番に勧めない、サーバーレスが既定。 ↩ ↩2

  16. Databricks「Best practices for cost optimization」2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/lakehouse-architecture/cost-optimization/best-practices — ジョブのコンピュートは汎用より大幅に安い。 ↩

  17. Databricks「Develop Declarative Automation Bundles」2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/dev-tools/bundles/work-tasks — 検証、開発から本番へのデプロイ、名前・ターゲット・デプロイした人による区別。 ↩

  18. Databricks「Developer best practices on Databricks」2026年9月11日更新、2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/developers/best-practices — 二つのサービスプリンシパル、開発者ごとのスキーマ、小さなバンドルと分ける基準、CI での事前のデプロイ、Terraform との分担。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5

  19. Databricks「bundle command group」2026年9月25日更新、2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/dev-tools/cli/bundle-commands — ID による追跡、消した資源の削除、generate と bind。 ↩ ↩2 ↩3

  20. Databricks「Specify a run identity for a Declarative Automation Bundles workflow」2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/dev-tools/bundles/run-as — デプロイする ID と動かす ID を分ける。 ↩ ↩2

  21. Databricks「Manage identities, permissions, and privileges for Lakeflow Jobs」2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/jobs/privileges — 実行者をサービスプリンシパルにする推奨。 ↩

  22. Databricks「CI/CD workflows on Databricks」2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/dev-tools/ci-cd/flows — ワークスペースを分ける、ワークロード ID フェデレーションの推奨。 ↩ ↩2

  23. Databricks「Authenticate access to Databricks using OAuth token federation」2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/dev-tools/auth/oauth-federation — 秘密の値を管理せずに済む。 ↩

  24. Databricks「Monitoring and observability for Lakeflow Jobs」2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/jobs/monitor — バンドルでデプロイしたジョブは画面で読み取り専用、切り離しと再接続。 ↩ ↩2 ↩3

  25. Databricks「Direct deployment engine」2026年10月7日更新、2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/dev-tools/bundles/direct — Terraform からの移行、自動の移行、状態の比べ方、消した項目、40% の主張、外部の保存場所。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7

  26. Databricks Community「Bug in Asset Bundle Sync」2026年10月12日取得. https://community.databricks.com/t5/data-engineering/bug-in-asset-bundle-sync/m-p/137731 — 手元で変わっていないファイルは上書きされない(回答者は Databricks MVP、2025年11月5日)。 ↩ ↩2

  27. Databricks「Troubleshoot and repair job failures」2026年10月9日更新、2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/jobs/repair-job-failures — 失敗したタスクと依存先を初めから再実行、冪等にはしない。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  28. Databricks「Databricks Git folders」2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/repos/ — ワークスペースの中の Git のツール、旧称 Repos(日本語版「Databricks Git フォルダー」)。 ↩ ↩2

  29. Databricks「CI/CD on Databricks」2026年10月7日更新、2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/dev-tools/ci-cd/ — バンドルを推奨、Git フォルダーや Git とジョブでは設定がソース管理の外。 ↩ ↩2 ↩3

  30. Databricks「CI/CD with Databricks Git folders」2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/repos/ci-cd — バンドルを推奨、本番用の Git フォルダーは自動でだけ更新。 ↩ ↩2

  31. Databricks「Use Git with jobs」2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/jobs/git — 本番のジョブはリモートの Git を参照するよう勧める。 ↩

  32. Databricks「Operational excellence for the data lakehouse」2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/lakehouse-architecture/operational-excellence/ — CI/CD、自動化、設定のコード化、自動化の限り。 ↩ ↩2 ↩3

  33. Databricks「Best practices for operational excellence」2026年9月11日更新、2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/lakehouse-architecture/operational-excellence/best-practices — Terraform を推奨のツールとする記述。 ↩

  34. Databricks「Declarative Automation Bundles resources」2026年10月12日取得. https://docs.databricks.com/aws/en/dev-tools/bundles/resources — 定義できる資源の一覧。storage credential は無く、external location は credential_name で参照する。 ↩

  35. Junaid Effendi「Terraform vs Asset Bundles for Databricks Workflows」2024年10月28日. https://www.junaideffendi.com/p/terraform-vs-asset-bundles-for-databricks — Terraform からの移行、設定だけの変更の CI。個人のニュースレター(購読者約 7,000)で所属の記載なし。 ↩ ↩2

  36. Gijs Reijn「3 Die-Hard Lessons We’ve Learned When Using Databricks Asset Bundles」Rabo Techblog, 2025年3月10日. https://rabobank.jobs/en/techblog/3-die-hard-lessons-we-ve-learned-when-using-databricks-asset-bundles/ — API の上限(Rabobank の採用サイトの技術ブログ、著者の肩書は Cloud Engineer)。 ↩ ↩2

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