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クラウド

クラウドとは?意味と仕組み、オンプレミスとの違いを例で解説

2026/10/12 シリーズ「クラウド入門」 第1回 / 全2回

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  • クラウド・バイ・デフォルト原則
  • ISMAP
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  • ハイパーバイザー
  • マネージドサービス
  • ハイブリッドクラウド
目次
背景・問い・要点
背景

会社の業務のアプリは、かつては自社のサーバー室に機械を買って置き、そこで動かすのが当たり前だった。今は、同じアプリを、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud のような事業者から借りた機械で動かすことが多い。総務省の調査では、従業員 100 人以上の日本の企業のうち、クラウドを一部でも使う会社は 8 割を超える1。

それでも、クラウド(クラウドコンピューティング)という言葉が何を指すのかは、意外にはっきりしない。インターネットの向こうにある何か、という説明では、自前のサーバーと何が違い、どのような利点と欠点があるのかが分からない。本稿は、ある会社の注文受付のアプリを、社内のサーバー室からクラウドへ載せ替える例を取り、米国国立標準技術研究所(NIST)の定義に沿って、クラウドの意味と仕組みを説明する。そのうえで、オンプレミス(自社で機器を持って動かす形)との違い、クラウドが生まれた経緯、日本での位置づけ、外からの評価を見ていく。

問い

クラウドとは何で、どのような仕組みで動くのか。自社で機器を持つオンプレミスと比べて、どのような利点と欠点があり、どちらが有利かは何で決まるのか。

要点

クラウドは、計算資源を必要なときに必要な分だけ借り、使った分だけ払う仕組みで、自前で持つより有利かどうかは一律でなく、負荷の形を中心に、規模、通信の費用、使い方で変わる。 NIST の定義は、クラウドを5つの特徴で定める。人の手続きを待たずに自分で借りられること、ネットワーク越しに使えること、事業者が多くの利用者の間で機械を共用すること、需要に合わせて伸び縮みすること、使った量が計られることである。オンプレミスとの大きな違いは、ピークに合わせて機器を先に買う代わりに、容量の見込み違いのリスクを事業者に移せる点にあり、ピークと平均の差が大きいほどこの利点は大きい。逆に、負荷が安定した会社が、借りるほうが高くつくとして自前に戻した例もある。日本政府は、サーバーをそのまま置き換えるだけの移行では利点を十分に得られなかった例を認め、事業者が運用まで引き受けるサービスを使う方向へ方針を書き改めた。

モデル・例示

12 月のセールに備える注文受付のアプリ

※ この節の数値は説明のための仮定で、測定値ではありません。

ある小売の会社が、オンラインと実店舗で商品を売り、その注文受付のアプリを社内のサーバー室で動かしているとする。機械は三つある。

  • アプリのサーバー:注文の画面を出し、注文を受け付ける。
  • データベースのサーバー:注文と在庫を記録する。
  • ファイルサーバー:商品の画像と、領収書の PDF を置く。

この会社の注文は、12 月のセールの数日だけ、普段の何倍にも増える。新しい機械は、注文してから届いて棚に据えるまでに数週間かかるので、セールの山に間に合わせるには、その山に合わせた台数を前もって買っておくしかない2。そうして買った機械は、セール以外の日々、ほとんど使われずに電気を食う。Berkeley の研究者の 2009 年の報告は、データセンターのサーバーの使用率は 5〜20% という外部の推計を引き、これは多くのサービスでピークの負荷が平均の 2〜10 倍になることと合う、と説明している2。

この会社が、アプリをほとんど作り替えずに、そのままクラウドの借りた機械へ載せ替えたとする。セールの準備は次のように変わる。

  1. 担当者クラウドの管理画面1. セールの前日に、アプリのサーバーを 4 台増やすよう指示する
  2. クラウドの管理画面事業者の機械のプール2. 空いている機械から、仮想マシンを 4 台割り当てる
  3. 事業者の機械のプール担当者3. 人の手続きを待たずに、4 台が使える状態になる
  4. 担当者クラウドの管理画面4. セールが終わった翌日に、4 台を返す
  5. クラウドの管理画面担当者5. 月末の請求には、4 台を使った時間の分だけが載る
※概念図(やりとり):本文の手順を図式化したもの。

担当者は、機械を買わず、棚にも据えない。事業者のデータセンターには多くの会社のための機械がまとめて置かれており、そこから必要な分を、仮想マシン(一台の物理的な機械を、ソフトウェアで何台分かに分けたもの)として借りる。台数を増やすのにかかる時間は、週の単位から分の単位に縮む2。ただし、増やした 4 台で注文を分け合うには、アプリがそのように作られている必要がある。その作り方は、後の回で扱う。

一方で、変わらないものもある。この例のようにアプリをそのまま載せた場合、アプリの中身と、その更新は、引き続き会社が管理する。注文のデータと、誰がこの管理画面を操作してよいかも会社が管理する。Microsoft は、どの形でクラウドを使っても、データと ID(誰であるかを示す情報)は利用者が持つと説明している3。

クラウドとは:NIST の定義と5つの特徴

クラウドの定義として最もよく引かれるのは、NIST が 2011 年に出した文書である。その定義は、クラウドを、構成を変えられる計算資源(サーバー、ストレージ、ネットワーク、アプリケーションなど)の共用の集まりに、ネットワーク越しに、必要に応じてどこからでも簡便に接続でき、最小限の手続きで速やかに割り当てたり返したりできるようにするモデルとしている4。そのうえで、クラウドを、5つの基本的な特徴、3つのサービスモデル、4つの実装モデルで説明する45。

5つの特徴の意味は次のとおりである4。本稿では、それぞれを上のセールの例に当てて読む。

この5つは、そろって初めて働く。自分で借りられても、使った量が計られ、その分だけ払う形でなければ、使い終えた機械を返しても得にならない。返せても、伸び縮みが遅ければ、ピークに合わせて借り続けることになる。NIST の5つとは切り口が違うが、Berkeley の報告も似た指摘をしている。報告は、Amazon の CTO の Werner Vogels を引いて、機械の側から見てクラウドで新しいのは、無限に見える資源をすぐ使えること、前もっての投資や約束が要らないこと、短い期間だけ借りて不要になれば返せることの三つだとした2。そして、過去に計算を公益事業のように売ろうとした試みは、このうち一つか二つが欠けていて失敗したと書き、例として、契約の交渉と時間単位より長い利用を求めた 2000〜2001 年の Intel Computing Services を挙げている2。

クラウドの仕組み:一台を分け、集めて貸し、使った分を計る

利用者から見えるのは管理画面と請求書だけだが、その裏では、三つの仕組みが動いている。

一つ目は、一台の機械を分ける仕組みである。ハイパーバイザーと呼ばれるソフトウェアが、一台の物理的な機械の上で、いくつもの OS(Windows や Linux のような、機械を動かす基本のソフトウェア)を、互いに干渉させずに同時に動かす。2003 年にケンブリッジ大学の研究者たちが発表した Xen は、一台のサーバーで最大 100 の仮想マシンを動かすことを目標にし、仮想化しない場合と比べて性能の低下は数 % 以内だったと報告している6。

二つ目は、分けた機械を集めて、多くの利用者に貸す仕組みである。Berkeley の報告は、AWS の新しさの一つを、機械の段階の仮想マシンを売り、利用者がそれぞれ好きなソフトウェアを入れても、同じ機械を共用しながら互いに邪魔をしないようにして費用を下げたことだと書いている2。

三つ目は、使った量を計る仕組みである。事業者は、借りた時間や置いたデータの量を計り、その量で請求する4。

オンプレミスとの違い:先に買って持つか、借りて使うか

オンプレミスは、デジタル庁の定義では、アプリケーションごとに、データセンター、ハードウェア、サーバーなどの動作環境を自ら用意し、自ら管理する従来の形である7。クラウドとの違いは、用意にかかる時間、費用の形、見込み違いのリスクを誰が負うか、の三つの点に現れる。

用意にかかる時間について。オンプレミスでは、機械を注文してから使えるまでに数週間かかるので、需要の増加を前もって見込んで買う。クラウドでは、分の単位で借りられるので、需要が見えてから増やせる2。

費用の形について。オンプレミスでは、まず機械を買い、何年かかけて使う。クラウドでは、初めに大きく払わず、使った時間や量に応じて払う。Berkeley の報告は、1000 台を 1 時間使う費用は、1 台を 1000 時間使う費用と変わらないとし、大きな規模を割増し無しで短時間だけ使えることは、IT の歴史で前例が無いと書いた2。

見込み違いのリスクについて。オンプレミスでは、ピークを多く見込めば機械が遊び、少なく見込めばセールの日に注文の画面が止まる。どちらのリスクも会社が負う。Berkeley の報告は、時間あたりで比べればクラウドの料金のほうが、機械を買って減価償却するより高くなりうると認めたうえで、その差は、伸縮性と、用意しすぎと足りなさのリスクを事業者に移せることの利点が上回る、と論じた2。

報告は、この利点が料金の差を上回る条件を数字で示している。一日のうちに、ピークで 500 台、平均で 300 台が要るサービスを考える。台数に使った時間を掛けた「台時間」で数えると、実際に使うのは 300 × 24 = 7,200 台時間だが、ピークに合わせて買えば 500 × 24 = 12,000 台時間分を用意し、払うことになる。必要な量の 1.7 倍である。したがって、クラウドの一台を一時間借りる料金が、機械を買って 3 年使う場合の一台一時間あたりの費用の 1.7 倍より安ければ、クラウドのほうが安くなる2。ピークと平均の差が大きいほど、この倍率は大きくなり、借りる利点は大きくなる。報告は、需要が時間で変わるときのほかに、需要が前もって分からないとき、大量の計算を短い時間で終えたいときも、借りるほうが得になりうる場合として挙げている2。1.7 倍は一日の中の山だけを見た計算で、報告は、12 月に山が来る通販のような季節の変動まで入れると、伸縮性の利点はさらに大きいと続けている2。12 月のセールの山がはっきりしている注文受付のアプリは、借りる利点が大きい側にある。

一方で、借りる側が負うリスクや負担もある。同じ報告は、クラウドが広がるうえでの障害の上位に、サービスが止まる可能性、データを他へ移しにくくなること(ロックイン)、データの機密性と監査、大量のデータを送るのにかかる時間と費用、性能のばらつきを挙げている2。どれも、自前で持っていれば会社が自分で決められたことを、事業者に委ねることから生まれる。

なぜクラウドが生まれたのか:公益事業の構想から大規模なデータセンターへ

計算を電話のように供給するという考えは、古くからある。1961 年、マサチューセッツ工科大学(MIT)の創立 100 周年の連続講演で、John McCarthy は、多くの利用者が離れた端末から一台の計算機を同時に使うタイムシェアリングを論じ、その結びで、電話が公益事業であるように、計算もいつか公益事業として組織されるかもしれないと述べた8。利用者は電話の回線でつながり、実際に使った分だけを払う、という姿である8。

この構想が大きな事業になるまでには、40 年以上かかった。仮想化の技術そのものは、Xen の論文によれば、IBM の VM/370 をはじめ 30 年近く前から商用でも研究でも使われていた6。Berkeley の報告が、クラウドを成り立たせた鍵として挙げるのは別のことで、土地の安い場所に、汎用の部品で作った超大規模のデータセンターを建てて運用することで、電気、回線、運用、ソフトウェア、機械の費用が 5〜7 分の 1 に下がったことである2。2011 年の Garfinkel の解説も、多くの会社に散らばった機械より、まとめた巨大な仕組みのほうが、機械も運用の人手もずっと効率よく使えると書き、McCarthy の時代から変わったのは、必要な分だけ資源を作り出し、不要になれば共用の集まりに返せる仮想化の仕組みが現れたことだとしている9。

この形を広げたのは Amazon である。Amazon Web Services(AWS)は、2006 年 3 月 14 日にファイルを置くサービスの Amazon S3 を10、同じ年の 8 月に仮想マシンを貸す Amazon EC2 の試験提供を始め11、契約なしに、クレジットカードだけで機械を時間単位で借りられるようにした2。最初の EC2 は、Xen の上で仮想マシンを提供していた12。Microsoft は 2010 年 1 月に Windows Azure の商用提供を発表し13、Google の Compute Engine は 2013 年 12 月に一般提供になった14。

「クラウドコンピューティング」という言葉の今の意味での使い始めは、2006 年 8 月 9 日に Google の CEO だった Eric Schmidt が業界の会議で、データとサービスをどこかの「雲」の中のサーバーに置く新しいモデルをそう呼んだときだ、とする見方が多い1516。ただし、MIT Technology Review は、この言葉が 1996 年に Compaq の社内文書で使われていたことを突き止めている15。通信網を図の中で雲の形で描く習慣が、名前の由来とされる15。

サービスモデルと実装モデル:どこまで借りるか、誰と共用するか

NIST の定義は、借りる範囲を3つのサービスモデルに分ける45。

IaaS から SaaS へ進むほど、利用者が管理する範囲は狭くなり、事業者が引き受ける範囲は広くなる。どこまでが事業者の責任で、どこからが利用者の責任かという線は、次の回で詳しく扱う。

誰と共用するかによって、4つの実装モデルがある5。パブリッククラウドは広く一般の利用のために提供され、プライベートクラウドは一つの組織の専用に、コミュニティクラウドは関心を共有する組織の集まりの専用に提供される。ハイブリッドクラウドは、これらを組み合わせたものである。なお、Berkeley の報告は、組織が自分の中に持ち、一般には提供しないデータセンターをプライベートクラウドと呼び、クラウドコンピューティングには通常は含めないとしている2。本シリーズで「クラウド」と書くときは、主にパブリッククラウドを指す。

日本での位置づけ:クラウド・バイ・デフォルト原則

日本の政府は、2017 年 5 月の閣議決定で、政府の情報システムを作るときはクラウドサービスの利用を第一候補とする「クラウド・バイ・デフォルト原則」を掲げ、2018 年 6 月の基本方針でその進め方を定めた18。基本方針は、コストの削減や、資源を柔軟に増減できることを理由に挙げている18。2020 年 5 月には、政府が使うクラウドサービスのセキュリティを前もって評価して登録する制度 ISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)の運用が始まった19。

その後、2022 年 9 月に方針は大きく書き改められた。今の方針は、旧方針の下で多くのシステムがクラウドに移った一方で、移行そのものが目的になり、クラウドの利点を十分に得られていない例も目立ったと認めている7。そして、これまでの利用の多くは、オンプレミスのサーバーを「雲の向こうにある仮想サーバー群」に置き換えたにとどまったとし、事業者が運用まで引き受けるサービス(マネージドサービス)を使って、クラウドをうまく使うよう求めている7。2025 年 5 月の改定では、この原則を「クラウド第一原則」と呼んでいる7。アプリを作り替えずに借りた機械へ載せるだけの使い方は、方針が求める使い方にはまだ届かない。

企業の側では、総務省の 2025 年の調査で、従業員 100 人以上の企業のうち、クラウドを全社的に使う企業は 60.0%、一部の事業所や部門で使う企業を合わせると 83.5% だった(回答 2,486 社)1。

AWS・Azure・Google Cloud での名前

ここまで一般の言葉で書いてきた部品は、主な三つの事業者では次の名前で提供されている。調査会社の Synergy Research Group の推計では、2026 年 4〜6 月の世界のクラウドの基盤サービスの市場で、Amazon が 28%、Microsoft が 20%、Google が 15% を占め、三社で 6 割を超える20。本シリーズがこの三社の名前を例に使うのはそのためである。

三社は、クラウドの上で良いシステムを設計するための考え方を、どれも Well-Architected フレームワークという同じ名前で公開している272829。柱の数と呼び名は少しずつ違うが、運用上の優秀性、セキュリティ、信頼性、パフォーマンス効率、コスト最適化の5つは三社に共通し、AWS と Google Cloud は持続可能性を加えている272829。本シリーズの以降の回は、5つの特徴の一つ一つが、注文受付のアプリのようなシステムで何を変えるかを説明し、その判断をこれらの柱で評価していく。

外から見たクラウド

クラウドを支持する見方は、どれも条件を付けている。Berkeley の報告は、利点の中心を伸縮性とリスクの移転に置き、得になる場合を上のように数字で示した2。MIT Technology Review の Garfinkel は、メールのサーバーでも計算用の機械の集まりでも、企業は自前で買うよりクラウドのサービスを使うほうが、ほとんどの場合、費用を抑えて性能も上げられると論じた9。日本の政府の方針も、多くの利用者で資源を共用するので、資源を占有しない作りにすれば一利用者あたりの負担は軽くなると、作り方を条件にしている7。

留保を付ける見方は、別の条件を挙げる。一つは規模である。ベンチャーキャピタルの a16z の Sarah Wang と Martin Casado は、2021 年に、クラウドで始めないのはおかしいが、規模が大きくなってもクラウドに留まるのもおかしい、と書いた30。クラウドを使う上場ソフトウェア企業 50 社について、自前で動かせば費用が半分になるという専門家の推定を置いて、利益率の低下で時価総額が 1,000 億ドル程度失われていると概算し、比較的控えめな仮定だとしている30。ただし、自前に戻すことを勧めるのが目的ではなく、戻した会社も 1〜3 割以上をクラウドに残していると書いている30。

二つ目は負荷の安定である。37signals の CTO の David Heinemeier Hansson は、2022 年に、成長が安定した中規模の会社にとって、計算機を借りるのはおおむね割に合わないとしてクラウドからの撤退を発表した31。同時に、負荷が激しく揺れるときにはクラウドに勝るものは無く、自社の新サービスの公開時に、半年で 3 万人の見込みが 3 週間で 30 万人になったときがそうだったとも書いている31。2024 年には、年間のクラウドの請求を 320 万ドルから 130 万ドルに減らしたと報告した32。

三つ目は通信である。日本では、ノークリサーチが中堅・中小企業を中心とする 700 社を調べ、Publickey が報じた。オフィスの中に置いている業務システムに、以前は IaaS やホスティングにあったものがある企業は 6.4%(45 社)だった33。そうした企業が挙げたクラウドの課題のうち、全体の平均より 10 ポイント以上多かったのは、多い順に、社内とクラウドの間の通信の費用の高さ、業務の要件よりクラウドへの移行を優先したこと、通信の品質の低さだった33。

並べると、どの見方も、有利かどうかを一つの条件で決めてはいない。負荷の形、規模、通信の費用、そしてクラウドの使い方が、それぞれ答えを動かす。注文受付のアプリでいえば、12 月のセールの山を借りた機械で受け止めるのは、5 つの特徴がそろって初めて成り立つ使い方であり、Berkeley の 1.7 倍の計算が示すとおり、山と平均の差が大きいほど借りる利点は大きい。では、借りた機械やサービスのどこまでを事業者が守り、どこからを会社が守るのか。その線を引くのが、次の問いである。

出典33件
  1. 総務省「令和7年通信利用動向調査の結果(概要)」2026年5月29日、2026年10月12日取得. https://www.soumu.go.jp/main_content/001074767.pdf — 常用雇用者 100人以上の企業。全社的に利用 60.0%、一部を含め 83.5%(n=2,486)。 ↩ ↩2

  2. Michael Armbrust ほか「Above the Clouds: A Berkeley View of Cloud Computing」UCB/EECS-2009-28、2009年2月10日、2026年10月12日取得. https://www2.eecs.berkeley.edu/Pubs/TechRpts/2009/EECS-2009-28.html — 使用率、三つの新しさ、1.7 倍の例、リスクの移転、障害、データセンターの費用。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16 ↩17

  3. Microsoft「Shared responsibility in the cloud」2026年8月24日更新、2026年10月12日取得. https://learn.microsoft.com/en-us/azure/security/fundamentals/shared-responsibility — どの配置でもデータと ID は利用者が持つ。 ↩

  4. Peter Mell, Timothy Grance「The NIST Definition of Cloud Computing」NIST SP 800-145、2011年9月、2026年10月12日取得. https://csrc.nist.gov/pubs/sp/800/145/final — 定義、5つの特徴、3つのサービスモデル、4つの実装モデル、従量課金の注。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6

  5. IPA 訳「NIST によるクラウドコンピューティングの定義」2011年12月掲載、2026年10月12日取得. https://www.ipa.go.jp/security/reports/oversea/nist/ug65p90000019cp4-att/begoj9000000buyd.pdf — 特徴とモデルの日本語訳(「スピーディな拡張性」「実装モデル」など)。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5

  6. Paul Barham ほか「Xen and the Art of Virtualization」SOSP 2003、2026年10月12日取得. https://www.cl.cam.ac.uk/research/srg/netos/papers/2003-xensosp.pdf — 最大 100 の仮想マシン、性能の低下は数 % 以内(著者らの報告)、VM/370 以来の仮想化。 ↩ ↩2

  7. デジタル庁 DS-310「政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針」2025年5月27日、2026年10月12日取得. https://www.digital.go.jp/resources/standard_guidelines — オンプレミスの定義、クラウド第一原則、移行の目的化、利点の5項目。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5

  8. John McCarthy「Time-Sharing Computer Systems」M. Greenberger 編『Management and the Computer of the Future』MIT Press、1962年、p.235. https://archive.org/details/managementcomput00gree — 1961年の講演の公益事業の節。 ↩ ↩2

  9. Simson Garfinkel「The Cloud Imperative」MIT Technology Review、2011年10月3日、2026年10月12日取得. https://www.technologyreview.com/2011/10/03/190237/the-cloud-imperative/ — McCarthy の構想と仮想化。 ↩ ↩2

  10. Amazon「Amazon Web Services Launches」2006年3月14日、2026年10月12日取得. https://press.aboutamazon.com/2006/3/amazon-web-services-launches — Amazon S3 の提供開始。 ↩

  11. Jeff Barr「Amazon EC2 Beta」AWS News Blog、2006年8月25日、2026年10月12日取得. https://aws.amazon.com/blogs/aws/amazon_ec2_beta/ — 限定の試験提供。AWS の What’s New は同じ発表を 8月24日付とする。 ↩

  12. James Hamilton「Xen-on-Nitro: AWS Nitro for Legacy Instances」Perspectives(個人のブログ)、2021年11月、2026年10月12日取得. https://perspectives.mvdirona.com/2021/11/xen-on-nitro-aws-nitro-for-legacy-instances/ — 最初の EC2 は Xen を使った。 ↩

  13. Microsoft「Commercial Availability of Windows Azure Platform」2010年1月5日、2026年10月12日取得. https://learn.microsoft.com/en-us/archive/blogs/usisvde/commercial-availability-of-windows-azure-platform — 商用提供の発表。試用の利用者は 2月1日までに有料の契約へ。 ↩

  14. Google「Google Compute Engine is now Generally Available」Google Cloud Blog、2013年12月2日、2026年10月12日取得. https://cloud.googleblog.com/2013/12/google-compute-engine-is-now-generally.html — 一般提供の開始。 ↩

  15. Antonio Regalado「Who Coined ‘Cloud Computing’?」MIT Technology Review、2011年10月31日、2026年10月12日取得. https://www.technologyreview.com/2011/10/31/257406/who-coined-cloud-computing/ — 1996年の Compaq の文書、雲の図の由来。 ↩ ↩2 ↩3

  16. Google「Conversation with Eric Schmidt」2006年8月9日(Internet Archive の写し). http://web.archive.org/web/20071229115705id_/http://www.google.com/press/podium/ses2006.html — 「We call it cloud computing」。 ↩

  17. Salesforce「The History of Salesforce」2025年1月更新、2026年10月12日取得. https://www.salesforce.com/news/stories/the-history-of-salesforce/ — 1999年の創業と、2000年の「The End of Software」。 ↩

  18. 各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」2018年6月7日(Internet Archive の写し)、2026年10月12日取得. https://web.archive.org/web/20191105163204id_/https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/cloud_%20policy.pdf — 2017年5月の閣議決定と原則。 ↩ ↩2

  19. 総務省「『政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)』の運用開始」2020年6月3日、2026年10月12日取得. https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01cyber01_02000001_00071.html — 2020年5月26日の第1回運営委員会で運用を開始。 ↩

  20. Synergy Research Group「Q2 Cloud Market Passes $143 Billion」2026年7月30日、2026年10月12日取得. https://www.srgresearch.com/articles/q2-cloud-market-passes-143-billion-highest-growth-rate-in-eight-years — 調査会社の推計。IaaS、PaaS、ホスティングされたプライベートクラウドを含む。 ↩

  21. AWS「Amazon EC2」2026年10月12日取得. https://aws.amazon.com/jp/ec2/ — 仮想マシンを借りるサービス。 ↩

  22. Microsoft「Azure 仮想マシン」2026年10月12日取得. https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/virtual-machines — 仮想マシンを借りるサービス。 ↩

  23. Google Cloud「Compute Engine」2026年10月12日取得. https://cloud.google.com/products/compute?hl=ja — 仮想マシンを借りるサービス。 ↩

  24. AWS「Amazon S3」2026年10月12日取得. https://aws.amazon.com/jp/s3/ — オブジェクトストレージのサービス。 ↩

  25. Microsoft「Azure Blob Storage」2026年10月12日取得. https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/storage/blobs — オブジェクトストレージのサービス。 ↩

  26. Google Cloud「Cloud Storage」2026年10月12日取得. https://cloud.google.com/storage?hl=ja — オブジェクトストレージのサービス。 ↩

  27. AWS「フレームワークの柱 - AWS Well-Architected フレームワーク」2024年11月6日公開、2026年10月12日取得. https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/wellarchitected/latest/framework/the-pillars-of-the-framework.html — 6本の柱。 ↩ ↩2

  28. Microsoft「Azure Well-Architected Framework の柱」2025年10月31日更新、2026年10月12日取得. https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/well-architected/pillars — 5本の柱。 ↩ ↩2

  29. Google Cloud「Google Cloud Well-Architected Framework」2026年1月28日確認、2026年10月12日取得. https://cloud.google.com/architecture/framework?hl=ja — 6本の柱と、柱を超えた視点。 ↩ ↩2

  30. Sarah Wang, Martin Casado「The Cost of Cloud, a Trillion Dollar Paradox」a16z、2021年5月27日. https://a16z.com/the-cost-of-cloud-a-trillion-dollar-paradox/ — 50社で約1,000億ドル、費用半減の推定による概算(著者は控えめな仮定とする)、戻した会社も1〜3割以上はクラウドで動かす。 ↩ ↩2 ↩3

  31. David Heinemeier Hansson「Why we’re leaving the cloud」HEY World、2022年10月19日. https://world.hey.com/dhh/why-we-re-leaving-the-cloud-654b47e0 — 安定した中規模の会社には割に合わない。負荷が揺れるときはクラウドが勝る。 ↩ ↩2

  32. David Heinemeier Hansson「Our cloud-exit savings will now top ten million over five years」HEY World、2024年10月17日. https://world.hey.com/dhh/our-cloud-exit-savings-will-now-top-ten-million-over-five-years-c7d9b5bd — 年間の請求 320万ドルから 130万ドルへ(著者の報告)。 ↩

  33. Publickey「クラウドからオンプレミスへ回帰した理由は?」2024年3月27日. https://www.publickey1.jp/blog/24/post_296.html — 700社(中堅・中小企業が9割)の調査の報道。IaaS 等から戻した業務システムがある企業 6.4%、平均より10ポイント以上多い課題は通信費用・移行の優先・通信品質。一次資料 https://www.norkresearch.co.jp/pdf/2024SrvPC_user_rel2.pdf ↩ ↩2

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