シミュレーション・制御・実機
NOAAが物理とAIのハイブリッド気象アンサンブルを実運用化
目次
天気予報のセンターは、予報を一本だけ出しているのではない。同じ日について少しずつ違う条件で何本も走らせ、その束を配信する。台風が上陸するのはどのあたりか、雨はどこまで強まりうるか——読み手が受け取りたいのは一本の線ではなく、当たり外れの幅のほうだからだ。この束をアンサンブルと呼ぶ。ここに、観測データから学習した AI の気象モデルという、物理法則を数値的に解く従来のモデルとはまったく別系統の作り方が加わった。こちらは、ある時点の大気の状態と次に来た状態との対応を過去のデータから覚えて、その先を出す。学習済みモデルの予報は計算が軽く、同じ設備でずっと多くを走らせられる。
二つの作り方が同時に手元にあるとき、現業のセンターは片方をもう片方で置き換えるのか、それとも足し合わせるのか。米 NOAA(海洋大気庁)が2025年12月に実運用へ入れた一式を材料に、どちらが採られ、そこから何がどこまで良くなったのかを確かめる。
この問いに、NOAA の実運用はこう答える——採られたのは足し合わせのほうで、物理と AI を一つの集団に混ぜたものが、初期評価の段階では、大半の主要な検証指標でどちらか片方だけの集団より良かったという。 AI で作るほうのアンサンブルは、物理で作る従来型の約9%の計算資源で動き、予報スキルは同等とされる1。安さと速さは、既存のモデルを降ろす理由には使われていない。開発段階の検証では、ハリケーンの強さの予測が従来型に及ばない事例も報告されている。
何が入ったか
投入されたのは三つのシステムだ1。
- AIGFS(AI版の全球予報)
- AIGEFS(AI版のアンサンブル予報。計算資源は従来型 GEFS の約9%で、予報スキルは従来型 GEFS と「同等」とされる1)
- HGEFS(ハイブリッド版。物理の GEFS と AI の AIGEFS を混ぜた62メンバーの「グランド・アンサンブル」)
いずれも Project EAGLE(Experimental AI Global and Limited-area Ensemble)の成果である1。研究プロジェクトの名前には Experimental が入るが、投入された三つ自体は現業システムである。NWS は2025年12月9日の告示で、同日から評価期間に入り、それが成功裏に完了する2025年12月17日に現業化すると予告した2。NOAA(海洋大気庁)の対外リリースは12月17日付で、一式が実運用に入ったと伝えている1。
なぜ「混ぜる」のか
鍵は、アンサンブル予報が何をしている道具かにある。初期条件やモデルを少しずつ変えた多数の予報を束ね、起こりうる結果の幅=不確実性を張るのがアンサンブルの仕事だ。
ここで効くのが「独立した二つの作り方」である。物理ベースと AI ベースは、作り方が根本的に違う。NOAA は「異なる二つのモデル系(一方は物理ベース、一方は AI ベース)を組み合わせることで、HGEFS はより大きく頑健なアンサンブルを作り、予報の不確実性をより効果的に表現する」と説明し、31メンバーの物理 GEFS と 31メンバーの AI AIGEFS を合わせた62メンバーの HGEFS を作った1。そして初期評価では、この HGEFS がAIのみ・物理のみの両方のアンサンブルを上回ったとされる1。速く安く回せる AI を、既存の物理モデルを捨てる理由にではなく、集団を厚くする材料に使った、という順序だ。
NOAA だけの話ではない
ハイブリッド化に向かう動き自体は、複数の現業センターで独立に進んでいる。ただし混ぜ方は同じではない。欧州の ECMWF は 2025年7月1日、AI アンサンブル予報 AIFS ENS(51メンバー)を実運用に入れた。ただしその初期条件は物理ベースのデータ同化に依存する3。混ぜる理由も、リリースは名指しで書いている——AI 側は現時点では解像度が31kmで、物理ベースのアンサンブル(9km)より粗く、高解像度の場や、結合系の地球システム過程には物理側が「不可欠のまま」だ。だからこそ「両手法の強みを生かすハイブリッド構成を探っている」のだという3。ECMWF は同じリリースで、この AI アンサンブルが多くの指標で最先端の物理モデルを上回り、地上気温では最大20%の改善を示したと書いている3。速度と消費電力の差も名指しされていて、物理ベースの予報システムより10倍以上速く、消費電力は約1000分の1だという3。それでも選ばれたのは置き換えではなくハイブリッドの探索だった。ハイブリッドを探る理由として名指しされているのは、速さや安さではなく解像度の非対称のほうである。学術・現業の側でも、物理・AI・ハイブリッドの三系統を同じ土俵で比べる相互比較プロジェクト WP-MIP が走っている。WMO の作業部会が2024年後半に立ち上げたもので、2026年7月時点で42件の予報寄稿と5件の解析データ、計31TBが集まり、第1期の予備結果まで出ている4。ただしそこに寄せられた各センターの開発中ハイブリッドは、いずれも物理モデルを AI の解へ spectral nudging する型だ——原典は「現在のハイブリッド化の戦略は spectral nudging に一意に集中している」と書き、該当する3件(ECCC・ECMWF・UKMO)を表に並べている4。HGEFS のようにアンサンブルを丸ごと足し合わせる型ではない。しかも WP-MIP の第1期が比べているのは決定論予報で、アンサンブル同士の相互比較は将来の拡張として名指されている4。なお WP-MIP の参加 AIWP モデルには NOAA 自身が名を連ねている(参照文献は NOAA の office note)。ただしハイブリッドの表に並ぶのは ECCC・ECMWF・UKMO の3件で、そこに NOAA は入っていない4。そしてプロジェクトは平易な要約で、AI ベースの系は10日予報では高精度だが非物理的な平滑化を抱えており、AI の導きと物理モデルを組み合わせたハイブリッドは構成要素どうしの相乗効果で得をしている、と書いている4。予備結果でも、ECCC と UKMO のハイブリッドは導き手の AI 予報から大きく利を得て、ECMWF の物理モデルに近い RMSE に達したとされる。ただし原典は、ハイブリッドの数が限られるため一般的な結論は引き出しにくいとも断っている。NOAA 自身も「我々の知る限り、この種の物理・AI ハイブリッド・アンサンブルを実装した世界初の機関」と書いている1。∴ HGEFS は「潮流の一例」というより、ハイブリッド化という広い潮流のなかで NOAA が選んだ独自の混ぜ方として読むのが正確だ。
どこまで言えるか——留保つき
これは論文段階の予想ではなく、現業の予報センターが実運用に入れた構成だ。ただし、二点の留保を添える。
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まだ「初期評価」である。 「両方を上回った」は NOAA 自身が initial testing(初期テスト)と断ったうえでの結果で1、長期の実績が積み上がった段階ではない。しかもリリース自体は「大半の主要な検証指標で」とだけ書き、個別の指標は挙げていない。ただし内訳がどこにも無いわけではない——実装告示2が参照する NCEP Office Note 522 が、開発段階の62メンバー・ハイブリッド(SUPER62)について CRPSS・アンサンブル平均RMSE・スプレッド・Brier スコア・ROC 面積を地域別・リードタイム別に載せている。ただしその検証は2024年6月1日〜7月9日の1か月分にとどまり、しかもハリケーン1事例(2024年7月のベリル)の強度予測では、ハイブリッドが現業 GEFSv12 に劣ると報告されている。同じ事例でも進路予測はハイブリッドが3者中もっとも誤差が小さく、劣るのは強度側だけである。ON522 は原因を、ML モデルが場を滑らかに出す性質に帰している。これは開発段階の1事例に限った話ではない——NOAA のリリース自身も、HGEFS の今後の改善点として、ハリケーン強度予報の改善作業を続けていると書いている1。その後の続報もある。NOAA EPIC の EAGLE 解説ページは、2026年7月27日に「熱帯低気圧の強度と降水の予報スキルを大幅に改善した」更新版を現業化したと記している1。ただしこれは AIGFS(決定論版)についての記述であり、同ページは HGEFS の強度課題が解消したとは書いていない。「上回った」は無条件ではない。
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足し合わせる相手の片方は、ばらつきが過小と報告されている。 リリース自身が AIGEFS の改善課題に「予報の幅を作る能力」を挙げ1、ON522 も MLGEFS のスプレッドがアンサンブル平均RMSEより全領域で小さい=under-dispersive と書く。集団を厚くする狙いそのものについて、片方は弱い側から入っている。ただし ON522 は、足し合わせた62メンバーの側については、スプレッドとアンサンブル平均RMSEの一致が GEFSv12・MLGEFS のどちらよりも良い=信頼性が高い、とも書いている。過小分散は材料の側の性質であって、混ぜた結果にそのまま持ち越されてはいない。
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AI が物理を不要にしたわけではない。 AI 気象モデルは、学習データも予報の初期値も従来の観測・解析パイプラインに依存する31。しかも苦手な領域が報告されている。記録破りの高温・低温・強風のような極端事象では、単一の予報を出す決定論型の AI モデル(GraphCast・Pangu-Weather・Fuxi)が物理モデル HRES にほぼ全リードタイムで一貫して負けた、と Zhang・Fischer・Zscheischler・Engelke は報告する5。彼らの見立てでは、AI モデルは物理法則を解くのではなく過去に観測された天候パターンのあいだを補間している——だから予報値には「学習データ中で最も極端な観測値」あたりの見えない上限が生まれ、記録の更新幅が大きいほど誤差がほぼ線形に膨らむ。著者ら自身はこの説明に
likely explains・suggestsと留保を付けている。なお彼らは「学習データに極端事例が乏しいこと」を否定しているわけではない。改善策の筆頭に挙がるのは気候モデルで生成した極端事例による学習データの拡張で、実際に効いた例(熱帯低気圧を含むデータで学習させた FourCastNet)まで引いている5。物理的整合性も、決定論的な設定では課題として残る(小スケール構造のぼやけや非物理的なアーティファクト)6。ただしこれは手法の側で動かせる部分を含む——それを指摘した当の論文自身が、損失関数を設計し直すことで MSE 性能をほぼ保ったまま整合性を改善できたと報告している。もっとも著者らは、これを「原理の実証であって、それぞれの損失関数の最適な設定ではない」と断り、水平解像度1度での結果だとことわったうえで、解像度が上がるほど二重罰の問題は厳しくなり、決定論的な設定でスペクトル忠実度と RMSE を両立させるのは難しくなるだろう、とも書いている6。結論部が挙げるのは、「学習課題を確率的に定式化すればスペクトルバイアスは事実上取り除ける」とする先行研究(GenCast と AIFS-CRPS)と、最終的には確率的なアンサンブルのほうが良い解になりうるという見通しのほうだ6。極端事象の側でも、Zhang らは改善経路の一つにハイブリッド化を挙げ、論文をこう結んでいる——「物理ベースの数値予報モデルと AI 気象モデルを並行して資金措置し走らせ、最も影響の大きい種類の気象についてその性能を厳密に評価し続けることが、依然として不可欠だ」5。だからこそ「AIで全部置き換える」ではなく「物理と混ぜる」が選ばれた、と読むのが素直だ。この検証には射程がある。検証されたのは決定論型のモデルであり、確率的な AI アンサンブル(GenCast や ECMWF の AIFS ENS)は対象に入っていない。つまりこの結果を、AIGEFS のような AI アンサンブルにそのまま当てはめることはできない——もっとも著者ら自身は、確率的モデルも学習範囲の外への外挿では同種の困難に直面するだろう、と考察で述べている5。検証年にも制約がある。原典は「検証は他の多くの先行研究と同様に1年分だけを示している」と断っている(GraphCast は2018年と2020年、Fuxi は2020年しか使えない)。ただし原典は同じ箇所で、もう一方の2018年でも同じパターンを観測したと書いている。2018年と2020年は ENSO が逆向きに転じた年で、記録的高温の起こり方が大きく違う。原典はこの二年をまたいで HRES が一貫して上回ったことを、結果の頑健性の根拠として挙げている5。学習年から離れた年ほど AI 側が不利になるので結論は新しい年でも保たれるだろう、というのが著者らの見立てでもある5。ただし NOAA の AIGFS・AIGEFS は、2025年12月の現業投入時点では DeepMind の GraphCast を出発点に、NOAA 自身の全球データ同化(GDAS)解析でファインチューニングして作られている12。ここで物理に負けた系統の延長線上にある。もっとも同じ EPIC ページは、その後 Global-EAGLE 系の機械学習基盤を ECMWF らの Anemoi へ移したと記しており、決定論版は移行済み、アンサンブル版は移行作業中としている1。GraphCast 由来という出自は、決定論版については投入時点の話になりつつある。ただしアンサンブル版はそうではない——同じページは、Global-EAGLE-Ensemble のメンバーの重みを「DeepMind の GraphCast の重みを最近の GDAS 解析でファインチューニングして生成している」と現在形で書き、Anemoi への移行は継続中の開発として記している1。NOAA はこの追加学習について、Google のモデルの性能を改善したと書いている1。「混ぜる」という判断は、その意味では自分たちの足元にも向いている。
なお現業プロダクトとしての HGEFS は、6時間刻みで240時間先まで配信される2。AIGFS・AIGEFS の384時間先までと比べて射程が短い。配信されるのはアンサンブル統計(平均とスプレッド)で、個々のメンバーは含まれない2。
留保を踏まえても、含意は明快だ——安く速い手法が出てきたとき、それを「置き換え」に使うか「厚みを足す材料」に使うかは別の判断であり、少なくとも NOAA は後者を選び、初期評価の範囲では成果が出ている。
出典6件
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NOAA, “NOAA deploys new generation of AI-driven global weather models”(2025-12-17。2026-02-17 にハリケーン予報のQ&Aを追記した旨の更新表示あり)。AIGFS/AIGEFS/HGEFS、AIGEFS は従来型 GEFS の約9%の計算資源、HGEFS は物理31+AI31 の計62メンバーで AIのみ・物理のみの両アンサンブルを上回った(初期評価)、は本リリースの記述による。Project EAGLE の正式名 Experimental AI Global and Limited-area Ensemble forecast system はリリースには無く、NOAA EPIC の EAGLE 解説ページによる(https://www.epic.noaa.gov/ai/eagle-overview/)。2026年7月27日の更新版・Anemoi への移行も同ページによる(2026年9月4日取得・HTTP 200)——決定論版は
the Global-EAGLE-Solo machine learning (ML) framework transitioned to the ... Anemoi framework、アンサンブル版はefforts have focused on transitioning the Global-EAGLE-ensemble into the Anemoi framework、更新版はA minor updated version was implemented into operation on July 27, 2026 with significantly improved tropical cyclone intensity and precipitation forecast skill。https://www.noaa.gov/news-release/noaa-deploys-new-generation-of-ai-driven-global-weather-models アンサンブル版の重みについてはThe weights for the Global-Eagle-Ensemble members are generated by fine-tuning the original GraphCast weights from DeepMind© with recent GDAS analyses、移行状況はSince then, efforts have focused on transitioning the Global-EAGLE-ensemble into the Anemoi framework/Ongoing development aims to further optimize the model's forecast performance(いずれも2026年9月8日取得・HTTP 200)。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16 ↩17 -
NOAA/NWS, “Service Change Notice 25-89: Implementation of the Artificial Intelligence Global Forecast System (AIGFS), Artificial Intelligence Global Ensemble Forecast System (AIGEFS), and the Hybrid Global Ensemble Forecast System (HGEFS)“(NCEP Central Operations、2025年12月9日発表)。実装の一次文書。「The models are based on Google DeepMind’s GraphCast model」「AIGEFS runs with 31 members to provide ensemble forecasts」「This 62-member ensemble is composed of 31 members from each of the two systems」と明記し、2025年12月9日からの評価期間を経て「At the completion of the successful evaluation period on December 17, 2025, the models will become operational」と告示する。https://www.weather.gov/media/notification/pdf_2025/scn25-89_AIGFS_AIGEFS_and_HGEFS.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
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ECMWF, “ECMWF’s ensemble AI forecasts become operational”(2025年7月1日)。AI アンサンブル AIFS ENS(リリースの表記はハイフン無し。51メンバー)を実運用化。初期条件が物理ベースのデータ同化に依存することは
The AIFS ENS relies on physics-based data assimilation to generate the initial conditions.による。ハイブリッドを探る理由はそこではなく解像度の非対称に置かれていて、逐語はAt the moment, it works at a lower resolution (31 km) than the physics-based ensemble system (9 km), which remains indispensable for high-resolution fields and coupled Earth-system processes. ECMWF is therefore also exploring hybrid systems that leverage the strengths of both approaches.——thereforeが指すのは直前の「物理側は高解像度の場と結合過程には不可欠のまま」であり、データ同化への依存を述べた文は別の段落にある。独立した現業センターも「置き換え」でなく「混ぜる」へ動いている側。https://www.ecmwf.int/en/about/media-centre/news/2025/ecmwfs-ensemble-ai-forecasts-become-operational ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 -
R. McTaggart-Cowan ほか多数の共著, “WP-MIP: An Artificial Intelligence, Hybrid, and Physically Based Model Intercomparison Project for Weather Prediction”(arXiv:2604.16643, 2026年4月17日に v1 が投稿され、2026年7月17日に v2 へ改訂された査読前プレプリント。本稿が引く数値と要約はいずれも v2 による)。物理・AI・ハイブリッドの各予報システムを共通の枠組みと中央データベースで比較し、ベストプラクティスの指針を作ることを目的とした相互比較プロジェクト。提案ではなく稼働中で、逐語は
the Working Group on Numerical Experimentation (WGNE) initiated the Weather Prediction Model Intercomparison Project (WP-MIP) in late 2024、規模はAs of July 2026, the WP-MIP archive contains 42 forecast contributions and 5 analysis datasets totalling 31 TB of data.、Preliminary results are shown in section 3。参加 AIWP モデルの表には NOAA 自身が含まれる(参照はTabas et al. (2025)= NOAA NCEP Office Note 521)。https://arxiv.org/abs/2604.16643(本稿が依拠する逐語:current hybridization strategies focus uniquely on spectral nudging to AIWP guidance、表の該当行Spectral nudging of the ECMWF physical model、射程についてはglobal deterministic10日予報が対象で、アンサンブル同士の比較はfuture ensemble-based intercomparison workと将来の拡張に置かれている) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 -
Zhongwei Zhang, Erich Fischer, Jakob Zscheischler & Sebastian Engelke, “Physics-based models outperform AI weather forecasts of record-breaking extremes”(Science Advances, 2026, doi:10.1126/sciadv.aec1433。プレプリントは arXiv:2508.15724「Numerical models outperform…」として2025年8月21日公開、査読掲載時に改題)。著者らは、記録破りの高温・低温・強風で、決定論型の AI モデル(GraphCast・Pangu-Weather・Fuxi、および GraphCast・Pangu-Weather の運用版)の予報誤差が物理モデル HRES よりほぼ全リードタイムで一貫して大きく、AI は極端事象の頻度も強度も過小評価しがち(高温記録は過小・低温記録は過大予測、超過が大きいほど誤差が拡大)と報告する。原因を学習領域の外へ外挿できないことに帰し(討議部の逐語は「they struggle when forecasting unprecedented events outside the training domain」、要旨では「the current limitations of AI weather models in extrapolating beyond their training domain」)、改善経路として気候モデル由来の極端事例によるデータ拡張・極値統計に基づく損失・ハイブリッド化を挙げる。ただしここでのハイブリッドは、掲載版の逐語では
hybrid models and physics-informed neural networks, where specific parameterizations in physical climate models are replaced with AI components ... or neural networks are trained while respecting specific physical lawsと説明される型で、本稿が扱う「二つのアンサンブルを足し合わせる」型とは別物である(プレプリント v1 は同じ箇所で NeuralGCM を例示していたが、掲載版はこの例示を落としており、NeuralGCMの語は掲載版に一度も現れない)。比較設定について著者らは、AI 側の初期化に使う ERA5 が +9 時間の先読みを持つのに対し HRES の入力 HRES-fc0 は +3 時間であり、this comparison setup disadvantages HRES ... thereby even strengthening our main resultと自ら述べている(=結果は保守側に振れている)。著者らが確率的モデルとして引用番号で挙げるのは掲載版では3本で、うち2本は GenCast と AIFS-CRPS(ECMWF が AIFS ENS として運用化したモデル)である。いずれも検証対象外だが、著者らは考察で「確率的モデルも、学習分布の外にある記録破りの事象を予報するときには同種の外挿の困難に直面するだろう」と述べている。純 AI の実力に留保をかける側。https://arxiv.org/abs/2508.15724 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 -
T. Dunstan ほか(Met Office/The Alan Turing Institute ほか), “FastNet: Improving the physical consistency of machine-learning weather prediction models through loss function design”(arXiv:2509.17601, 2025年9月22日公開/Artificial Intelligence for the Earth Systems(AMS)5巻3号, 2026年7月, doi:10.1175/aies-d-25-0090.1)。機械学習気象予測(MLWP)の出力は「特に決定論的な設定で」物理的整合性の確保が課題として残ると指摘し(
challenges remain in ensuring the physical consistency of MLWP outputs, particularly in deterministic settings)、小スケール構造のぼやけ(スペクトルバイアス)と非物理的なアーティファクトを、球面調和関数ベースの損失項・水平勾配項・風の速度と向きを分離した表現で抑える。結果は成功側で、組み合わせて学習すると MSE 性能をほぼ保ったままスペクトル忠実度と物理的整合性が改善したと報告する(arXiv 版の逐語はwhen trained in combination the model exhibits very similar MSE performance to an MSE-trained model while at the same time significantly improving spectral fidelity and physical consistency)。結論部はさらに、スペクトルバイアスは「学習課題を確率的に定式化すれば事実上取り除ける」とする研究が複数あると書き、参照先に AIFS-CRPS(Lang ほか 2024b)と GenCast(Price ほか 2024)を挙げている。∴ この出典が支えるのは「AI 単独では物理的整合性が保てない」ではなく「決定論的な設定での物理的整合性は、現時点の課題であって、損失関数の設計や確率的定式化で扱える」であり、処方としてハイブリッド化は挙げられていない(原典で hybrid が出るのは NeuralGCM 型の関連研究1箇所のみ)。なお著者らは冒頭で、MLWP と現業 NWP の出力の隔たりについて「純粋にデータ駆動のモデルだけで埋まるのか、それとも従来手法とデータ駆動手法の混成が必要であり続けるのかは、いまなお議論が続く論点だ」と書いている(whether a blend of traditional and data-driven modeling will continue to be necessary is an active area of discussion)。また結論部の限界の列挙は掲載版で1項目増えており、解像度に関する限界は arXiv 版には無い。https://arxiv.org/abs/2509.17601 ↩ ↩2 ↩3
この記事はAIが執筆しています。内容には誤りが含まれる可能性があります。ご注意ください。