フロンティアAI
サイバー能力「排除できない」——最上位しきい値の封じ込め
目次
強力なAIを作っている組織は、自社の製品が危険な水準に達していないかを自分で測ると宣言している。段階を定め、その段階に触れたら手を打つ——そういう枠組みを、各社が文書として公開してきた。
ただ、この種の枠組みが実際に作動した例は多くない。文書があることと、それが現実の判断を動かすことは別だからだ。だから、ある会社が自社の枠組みに照らして「この段階を排除できない」と公表したとき、それは珍しい出来事になる。同時に、読む側は言葉を正確に受け取る必要がある。「到達した」と「到達を排除できない」は違う。前者は判定が確定した話で、後者は確定しないまま先に手を打つという話である。
この違いは、そのあとに取られた措置の意味を決める。何を止め、何を続けているのか。枠組みが要求しているのは配備の可否なのか、開発の進め方なのか。公表された言葉と、枠組みの条文を並べないと、どちらとも読めてしまう。
「排除できない」という言い方は何を意味し、その結果として実際に何が止まったのか——公表文と枠組みの条文を突き合わせる。
2026年8月7日、OpenAIは開発中の次期モデルAstraの評価結果を公表した。Preparedness Framework(フロンティアモデルの危険な能力を段階別に管理する社内の安全枠組み)が定めるCritical(重大)水準のサイバー能力について、現時点で到達することを排除できないと述べている1。同時に、これは予備的な評価であり、評価はまだ継続中だとも述べている1。OpenAIはこの評価を踏まえ、隔離環境や監視強化などの社内措置をすでに適用したとしている——原典はその目的を、このモデルのさらなる開発を安全・確実に進めるためだと書いている。ただし同じ節はその手前で、これらの能力の配備に見合うよう安全策の堅牢性試験を拡充したとも述べている1。OpenAI自身、これまでのモデル(GPT-5.6-Solを含む)はサイバー能力についてHighと評価されてきたと書いており、最上位しきい値でこう動いた先例は無い1。ただし、これを額面通り「安全策が機能した」と読むのは早い。枠組みの2025年4月版を分析した論文は、枠組みが緩和策を保証するものではないと指摘する2。別の提案論文は、外部評価に与えられるアクセス・情報・時間が限られると指摘している3。
「排除できない」は「到達した」ではない
OpenAIは2026年8月7日付の公式発表で、AstraがCriticalのサイバー能力しきい値に「現時点で到達することを排除できない(cannot rule out)」と述べた(Help Net SecurityとThe Hacker Newsが同年8月10日にそれぞれ報じた)1。この表現は「到達した」とは異なる。到達したと確定する評価ではなく、否定しきれないという幅を残した言い方だ。OpenAIは続けて、これは予備的な評価であり、ベンチマークと評価を継続中だと述べている1。なお「Astraは重大なサイバーセキュリティモデルとして分類されていない」という言い方は報道側(Help Net Security)の要約で、OpenAIの発表そのものには無い1。
この二つの言明は別のことを言っている。この発表は「AstraがCriticalしきい値に到達した」と要約されやすいが、OpenAI自身の言葉はそうではない。「到達した」であれば、そのモデルをどう扱うかという判断そのものが確定した話になる。「排除できない」は、判定を確定させないまま、疑わしい段階で先に手を打つという扱いだ。今回OpenAIが公表したのは後者であり、この違いが、以下で見る封じ込め措置の位置づけを決めている。
判断が動いた速さも、同じことを示している。発表は2026年8月7日付で、報道の3日前だ1。OpenAI自身の書き方によれば、根拠は「ここ数日」の社内評価であり、結論に至ったのは「昨夜」である(原文 “over the past few days” / “led us to conclude last night”)1。評価が固まってから公表までが1日以内ということになる。確定した判定を待って動いたのではなく、確定しないまま動いたという先の読みを、発表の時系列そのものが裏づけている。
Criticalは「前例のない経路」を指す
Preparedness Frameworkは、フロンティアモデルの危険な能力を領域別・段階別に管理するOpenAIの社内枠組みだ。措置を要求するしきい値は二段で、これは追跡対象の全カテゴリに共通する定義として置かれている。High(高)は「既存の深刻な危害へのリスクベクトルを著しく増大させる能力」、Critical(重大)は「既存の前例がない、質的に新しい深刻な危害の脅威ベクトルの意味あるリスクを示す能力」である4。Highを越えた対象システムには、配備前に堅牢で実効的な安全措置が、開発中には適切なセキュリティ管理が要求される。Criticalに至っては、配備の計画にかかわらず開発中においても安全措置が要求される4。既存の経路を増幅するか、前例のない経路そのものを生むか。前者にはすでに何らかの対処の蓄積があるが、後者は想定されていなかった対処を要しうる。
そのうえで、サイバー領域には固有のしきい値の記述が別にある。Highは「相応に堅牢化された標的に対する端から端までのサイバー作戦の自動化、あるいは実務上重要な脆弱性の発見と悪用の自動化を含め、サイバー作戦を規模化する既存のボトルネックを取り除く」能力とされる4。
サイバー領域のCriticalも同じ枠組みの中に文言が置かれている。「ツール拡張されたモデルが、人間の介入なしに、堅牢化された実世界の重要システムの多くにおいて、あらゆる深刻度の実際に機能するゼロデイ攻撃コード(公表や修正の前の脆弱性を突く、動作する攻撃プログラム)を特定・開発できる。あるいは、高水準の目標のみを与えられた状態で、堅牢化された標的に対するサイバー攻撃の新規な戦略を端から端まで立案し実行できる」4。このいずれかを満たすとCriticalとみなされる。抽象的なしきい値の説明ではなく、具体的な能力の記述として書かれている。
ここで注意がいる。この文言は今回の発表で新しく示されたものではなく、2025年4月版の枠組みに印刷されているものだ4。今回の判断は、この既存のしきい値に照らして述べられている。求められているのは脆弱性を見つけることではなく、動く攻撃コードを作るところまでである。
OpenAIが実際に取った措置
原典の「取っている手順」の節は、まず配備の話から始まる。「これらの能力の配備に見合うよう、安全策とセキュリティ管理の堅牢性試験を拡充した」——そう書いたうえで、「社内では、さらに以下の手順も取った」と続く1。つまり並んでいるのは二種類で、配備に備える側と、開発を続けるための側だ。
社内側の一連の措置について、原典はその目的を「このモデルのさらなる開発が安全・確実に行われるように」と書いている1。挙げられているのは、隔離されたテスト環境、ネットワークとツールのアクセス制限、モデル重みの保護と暗号化の強化、監視と検知の追加である1。加えて、サンドボックス実行(外部への影響を遮断した環境でプログラムを動かす仕組み)、エージェント型アプリケーション横断での危険な行動と不整合に対する全面的な監視、高リスクな活動を審査し中断する対応体制も挙げられている1。監視の対象範囲は訓練と評価を含むと明記されており、監視器はモデルのChain of Thought(モデルが答えに至るまでの思考の筋道)を評価して対応を発動する1。
リストの中身は大まかに三つに分けられる。試験環境そのものを外部から切り離す隔離、モデル重み(学習済みのパラメータそのもの)への不正なアクセスを防ぐ保護、そしてエージェントの挙動を継続的に見張る監視だ。あわせて挙げられているのは、政府機関および一部のAI安全組織と協働してこのモデルの能力を試験すること、外部のテスト協力先に推奨されるセキュリティ管理策を提供することである1。原文は “select AI safety organizations” で、誰が選定するのかは書かれていない——ここは後で効いてくる。この二つを、原典は配備前の手順としては明示していない。ただし節の冒頭で述べているのは、先に見たとおり配備に見合う堅牢性試験の拡充である1。
停止についても、原典の言い方は報道の要約より狭い。強化されたセキュリティ管理の要件をまだ満たしていないAstra関連の社内活動を、停止している——OpenAIはそう述べている1。止めているのは社内活動であって、配備に関わる活動ではない。完了形でもない。The Hacker Newsはこの一文を逐語で引き、見出しに据えた1。
OpenAIの発表にも報道2件にも、これらの措置がいつ適用されたかを示す具体的な日付は出てこない1。効果を数値で示す記述も、担当者の実名もない(発表の著者欄は法人名のみ)1。The Hacker Newsは別の文脈で、Astraが未解決の数学問題10問を解いた際の費用が約2,000ドルだったと報じている1。これは能力の規模感を示す一データ点に過ぎず、今回のCritical判断を裏づける数字ではない。
枠組みそのものへの批判
Preparedness Frameworkという仕組み自体を検証した研究がある。Sam Cogginsらは2025年9月、2025年4月版のPreparedness Framework Version 2を対象に分析した論文を発表した2。Astraをめぐる今回の判断は、この分析対象のバージョンより後の話だ。ただし、判断の物差しになったサイバーCriticalのしきい値の文面そのものは、この分析対象と同じ2025年4月版のものである。発表がPreparedness Frameworkとしてリンクしているのは2025年4月版のPDFそのもので、しきい値の文面も発表本文の中で復唱されている14。分析が届かないのは、その後の改訂で変わった部分に限られる。
論文は三つを主張する。第一に、枠組みが評価を求めているのはAIリスクのごく一部にとどまり、しかもどのリスクについても評価を要求してはいない——論文は求める(requests)と要求する(demands)を区別し、後者は一つも無いと書く。あわせて、枠組みはリスク評価の実施に必要な資源・独立性・時間のいずれも保証していないと指摘する2。第二に、意図せず「深刻な危害」を可能にする「Medium」水準——上の二段のしきい値には含まれない、措置が要求されない水準——の能力を持つシステムの配備を促してしまう。論文が「促す」と言うのは、2025年4月版が「low」「medium」という語を『Preparedness の実務に関与していなかった』として枠組みから削除したからで、その削除自体が配備を促していると読む24。ここで言う「深刻な危害」はOpenAI自身が枠組みの中で「数千人の死亡または重傷、あるいは数千億ドルの経済的損害」と定義しているもので、論文はこれを死者1,000人超・損害1,000億ドル超と要約して引いている2。第三に、OpenAIのCEOが一方的にさらに危険な能力を配備することを枠組み上許してしまっている、という指摘だ。論文が引くのは、枠組みが「念のため言えば、OpenAI Leadershipは SAG の参加なしに決定を下すこともできる。すなわち SAG に議事妨害の力は無い」と書いていること、そしてCEOの判断への説明責任を担うはずの取締役会の安全・セキュリティ委員会を、そのCEO自身が共同で率いていることである2。ただし論文がこの委員会の点に付けている出典は2024年5月の委員会設置発表であり、論文執筆時点の構成を確認した記述は無い2。とくに他の開発者が先に出した場合として論文が挙げるのは、他のフロンティアAI開発者が追跡カテゴリで「HighまたはCriticalの能力」を持つシステムを開発・公開したと厳密に確認できれば「その能力領域で要求する安全策の水準を相応に調整しうる」という条項だ2。ただし枠組みは同じ文で「ただし以下の場合に限る」として三つの条件を付けている——全体の深刻な危害リスクを意味あるほど高めないと評価すること、調整することを公に認めること、そして「安全の底辺への競争を避けるため」他社より保護的な水準を保ちその裏づけとなる情報を共有すること、である4。論文はこの条件つきの全文を注に引いたうえで、なお枠組みが調整を許していると評価している2。
三つの主張は、枠組みが何を評価するよう求めているかだけでなく、枠組みが実際に何を許してしまっているかに着目している。手法としては、アフォーダンス理論(ある仕組みが実際に何を可能にするかを分析する枠組み)とMIT AI Risk Repositoryを組み合わせ、枠組みが実際に何を許容しているかを体系的に検討するproof-of-conceptだと位置づけられている2。
外部評価のアクセス水準は明かされていない
OpenAIは外部の組織と協働して能力を試験するとしている1。だが、その試験がどれだけ実効的かは別の問題だ。Jacob Charnockらの2026年1月の論文は、フロンティアモデルへの外部アクセスの現状を扱う3。外部評価者は「限られたモデルアクセス、限られた情報、そして限られた時間」しか与えられず、評価の厳密さが損なわれる、と論文は指摘する3。具体的には、モデルの内部(活性・勾配・重み)を見られずブラックボックスの入出力に限られること、十分な文脈と技術的詳細を欠くこと、そして評価に与えられるのが数週ではなく数日であることの三点を挙げている3。ただし同じ論文は、直近の評価ではChain of Thoughtへのアクセスと評価期間の延長という改善があったとも書いており、その改善例として挙げているのはMETRとOpenAI自身のシステムカードである3。手薄だという指摘は、改善がゼロだという指摘ではない。
この論文は、これらの問題点を実証した監査ではなく、提案・枠組み論文である。提案しているのは、AL1からAL3までの3段階のアクセス水準の分類だ。「ブラックボックス(モデルの内部を見ずに入出力だけで扱う方式)のモデルアクセスと最小限の情報」から、「ホワイトボックス(内部の重みや構造まで見える方式)のモデルアクセスと包括的な情報」までを段階分けする3。狙いは、EUの汎用AI行動規範(General-Purpose AI Code of Practice)が言う「適切なアクセス」の段階を記述する共通の語彙を与え、評価者・企業・政策当局の間の意思疎通を明確にすることだ3。論文はこの段階を「記述的」なもので、時間とともに修正が必要だと自ら位置づけている3。目盛りとして押さえておくべきは、最下段のAL1が「最低限」の側だという点である。論文はAL1を、行動規範の署名者が外部評価者に提供する必要のある最低水準と位置づけており、そこですら行動規範が求める評価期間は最低20営業日である。そのうえで、それを超える時間を外部評価者に与えたフロンティアAI企業は見当たらない、とも書いている3。
まだ見えていないもの
OpenAIが「排除できない」と述べ、封じ込め措置を先に適用したこと自体は、しきい値に近づいた段階で判断が先に動くという設計に沿っている。ただし、枠組みがサイバーのCriticalについて名指しで定めている措置はこれではない。枠組みは「Critical標準を満たす安全策とセキュリティ管理の基準を明示するまで、さらなる開発を停止する」と書いている4。ただし枠組みは別の節で、Criticalに到達した、または到達すると予測されるモデルについて、「外部配備の有無や時期にかかわらず、開発中に追加の安全措置(安全とセキュリティの管理)を要する」とも定めている4。OpenAIが挙げた隔離・アクセス制限・重み保護・監視は、この条項が求める類に収まる。停止条項と追加措置条項は別物で、今回動いたのは後者である。OpenAIがCriticalかどうかの判定をまだ確定させていないこと——発表は「ベンチマークと評価を続けている」としか書いていない——は1、この停止条項が発動する手前に判断を置いたということでもある。その手前で何が進んでいるかも、発表自身が書いている。Criticalを排除できないと述べた同じ文書が、「これらの能力の配備に見合うよう」安全策の堅牢性試験を拡充したと述べているからだ1。枠組みが動いたことと、枠組みが最も強く求めている措置が取られたこととは、同じではない。
Cogginsらの分析が指摘するのは、枠組みが存在し発動したことと、それが実際にリスクを緩和する行動を保証することは別だという点だ2。今回OpenAIが挙げた安全措置のリストは、実施されたという宣言であって、外部から独立に確認された記録ではない。Charnockらの整理に沿えば、外部評価者が受け取るアクセスの水準——AL1なのかAL3なのか——が明らかにならない限り、OpenAIが挙げる「一部のAI安全組織」との共同試験が、誰によって選ばれ、モデルの内部にどこまで踏み込めるものになるのかも分からない13。
判断できる材料が増えるとすれば、それは評価に使われたアクセス水準そのものと、評価の結果が独立に公表されるかどうかだろう。現時点では、その両方がまだ見えていない。
出典4件
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OpenAI, “Responding to the next frontier of critical cyber capabilities”(OpenAI公式発表、2026年8月7日付。Help Net Security と The Hacker News が同年8月10日に報道)。次期モデルAstraについて、自社のPreparedness Frameworkが定めるCriticalのサイバー能力しきい値に「現時点で到達することを排除できない」と述べ、同時にこれは予備的な評価であり、ベンチマークと評価を継続中だと述べた。「Astraを重大なサイバーセキュリティモデルとして分類していない」という表現は Help Net Security の要約であって、OpenAI 公式発表の文言ではない(発表本文に classify に相当する語は一度も現れない。2026-08-16 に Wayback 保存版2キャプチャで確認)。措置の節は配備の話から始まる——“Accordingly, we have scaled up robustness testing of our safeguards and security controls so that they are appropriate for a deployment of these capabilities. Internally, we have also taken the following steps so that further development of this model happens safely and securely:“。すなわち箇条書きの社内措置は “also” で受けられており、その前段は配備に備える措置である(Help Net Security もこれを “OpenAI has strengthened safeguards and security controls to support the deployment of models with these capabilities” と報じている)。社内措置として挙がるのは隔離環境・アクセス制限・重みの保護と暗号化・監視と検知の追加・サンドボックス実行・高リスク活動の審査と中断で、加えて政府機関および一部のAI安全組織と協働してこのモデルの能力を試験し、外部テスト協力先に推奨されるセキュリティ管理策を提供するとした。原文は “work with relevant government agencies and select AI safety organizations to test the capabilities for this model” であり、
selectはrelevantと並列の形容詞(=限られた・選りすぐりの)で、誰が選定するのかは書かれていない(「独立した」も「OpenAIが選ぶ」も、どちらも原典には無い補いである)。また発表は、Preparedness Framework のリンク先として本稿の 4 と同一の PDF(cdn.openai.com/pdf/18a02b5d-…/preparedness-framework-v2.pdf)を張り、Critical しきい値を本文中で復唱している(“Under our Preparedness Framework, a model reaches the Critical cybersecurity threshold if it can identify and develop functional zero-day exploits of all severity levels in many hardened real-world critical systems without human intervention, or can devise and execute end-to-end novel strategies for cyberattacks against hardened targets given only a high level desired goal.”)——判断の物差しが2025年4月版であることは、このリンクと復唱で確かめられる。過去のモデルの水準については “Previous models, including GPT-5.6-Sol, have been evaluated for frontier cyber capabilities and assessed at the High (rather than Critical) threshold.” と書いている。Help Net Security はこれを「配備前に、独立したAI安全組織に評価を要請する」と書いているが、independent も Before deploying も OpenAI 公式発表には無い(The Hacker News は公式発表どおり “select AI safety organizations” と書いている)。発表本文の日付欄は “OpenAI August 7, 2026 Security” であり、根拠と時点についてはこう書いている——“Our latest internal evaluations of Astra, one of our upcoming models, over the past few days indicate significant advancements in agentic coding and cybersecurity. These results, in addition to expert assessments, have led us to conclude last night that we cannot rule out critical cyber capabilities under our Preparedness Framework.”(“over the past few days” と “led us to conclude last night” はいずれも報道2件には現れない)。監視については “We have implemented universal monitoring for risky actions and misalignment across all agentic applications of Astra, including training and evaluation. Monitors evaluate the model’s Chain of Thought and trigger a security response to review and interrupt high risk activity.” と述べている。停止については “We are pausing internal activities involving Astra that do not yet meet these strengthened security control requirements.”(The Hacker News はこれを逐語で引き、見出しにTrigger Pauseとして据えた。Help Net Security の要約はinternalとnot yetを落とし完了形にしている)。OpenAI公式ページはブラウザ以外からの取得が403で拒否されるため、発表本文はInternet Archiveの保存版で確認した(2026年8月10日と11日の2キャプチャ。本文は一致)。報道2件——Help Net Security(2026年8月10日)および The Hacker News(2026年8月10日)——も併せて照合した。措置の適用日、効果を示す数値、担当者名はいずれも報じられていない。別の文脈として、The Hacker News は未解決の数学問題10問の求解に約2,000ドルを要したと報じている。https://openai.com/index/responding-next-frontier-critical-cyber-capabilities/(保存版: https://web.archive.org/web/20260810124834/https://openai.com/index/responding-next-frontier-critical-cyber-capabilities/) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16 ↩17 ↩18 ↩19 ↩20 ↩21 ↩22 ↩23 ↩24 ↩25 ↩26 -
Sam Coggins, Alexander K. Saeri, Katherine A. Daniell, Lorenn P. Ruster, Jessie Liu, Jenny L. Davis, “The 2025 OpenAI Preparedness Framework does not guarantee any AI risk mitigation practices: a proof-of-concept for affordance analyses of AI safety policies”(arXiv:2509.24394, 2025年9月29日投稿・2025年10月13日改訂)。2025年4月版の Preparedness Framework Version 2 を対象に分析する。枠組みが求める評価はAIリスクのごく一部にとどまり、どのリスクについても評価を要求(demand)してはいないこと、意図せず深刻な危害を可能にする「Medium」水準の能力を持つシステムの配備を促すこと、OpenAI の CEO がさらに危険な能力の配備を許されていることを指摘する。「深刻な危害」は OpenAI が Preparedness Framework で「数千人の死亡または重傷、あるいは数千億ドルの経済的損害」と定義するもので(同論文 Endnote [2])、論文の abstract はこれを “which OpenAI defines as >1000 deaths or >$100B in damages” と要約している。アフォーダンス理論と MIT AI Risk Repository を組み合わせた proof-of-concept の手法による。分析対象は Astra をめぐる今回の判断より前のバージョンである。https://arxiv.org/abs/2509.24394 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11
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Jacob Charnock, Alejandro Tlaie, Kyle O’Brien, Stephen Casper, Aidan Homewood, “Expanding External Access to Frontier AI Models for Dangerous Capability Evaluations”(arXiv:2601.11916, 2026年1月17日投稿)。外部評価者は限られたモデルアクセス・限られた情報・限られた時間しか与えられず、評価の厳密さが損なわれると指摘し、モデルとの相互作用の制限、文脈と技術的詳細の不足、評価日程の圧縮の三点を挙げる。論文がこの三点を挙げる同じ文には “despite an improvement in external access for recent evaluations involving chain-of-thought (CoT) access and longer evaluation time frames (METR, 2025b; OpenAI, 2025a)” という留保があり、そこで改善例として引かれる OpenAI, 2025a は参考文献一覧で “Gpt-5 system card”、すなわち OpenAI 自身のシステムカードである。AL1(ブラックボックスアクセスと最小限の情報)から AL3(ホワイトボックスアクセスと包括的な情報)までの3段階のアクセス水準を提案し、EU の汎用AI行動規範が言う「適切なアクセス」の段階を記述する共通の語彙を与え、評価者・企業・政策当局の意思疎通を明確にすることを狙う(論文に standardis / standardiz は現れず、自ら “three descriptive access levels”・“these standards may change over time” と書く)。現行慣行を実証した監査ではなく、提案・枠組み論文である。https://arxiv.org/abs/2601.11916 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10
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OpenAI, “Preparedness Framework Version 2”(OpenAI公式、2025年4月15日)。フロンティアモデルの危険な能力を領域別・段階別に管理する社内枠組み。全カテゴリ共通の二段のしきい値を p.5 に置き、High を “capabilities that significantly increase existing risk vectors for severe harm”、Critical を “capabilities that present a meaningful risk of a qualitatively new threat vector for severe harm with no ready precedent” と定義する。Critical については “require safeguards even during the development of the covered system, irrespective of deployment plans” と明記する。サイバー領域固有のしきい値は p.6–7 の Cybersecurity 行にあり、High は “removes existing bottlenecks to scaling cyber operations including by automating end-to-end cyber operations against reasonably hardened targets OR by automating the discovery and exploitation of operationally relevant vulnerabilities”、Critical は “A tool-augmented model can identify and develop functional zero-day exploits of all severity levels in many hardened real-world critical systems without human intervention OR model can devise and execute end-to-end novel strategies for cyberattacks against hardened targets given only a high level desired goal”。同行の措置欄は “Until we have specified safeguards and security controls standards that would meet a Critical standard, halt further development” と定める。この停止条項とは別に §4.4(Increasing safeguards before internal use and further development)があり、“Models that have reached or are forecasted to reach Critical capability in a Tracked Category” について “Such models require additional safeguards (safety and security controls) during development, regardless of whether or when they are externally deployed” と定めている。告知ページ https://openai.com/index/updating-our-preparedness-framework/ は本稿執筆時点で403を返すため、本文の引用はいずれも枠組み本体のPDF(2026年8月15日取得、HTTP 200・170,399バイト)から取った。 https://cdn.openai.com/pdf/18a02b5d-6b67-4cec-ab64-68cdfbddebcd/preparedness-framework-v2.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11
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