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AI半導体

推論チップの内製化、OpenAIもBroadcomと自前ASICを発表

2026/7/3 (更新: 2026/9/29)

目次
【背景】AIの推論の多くは汎用GPUの上で回ってきた巨大テック各社は自前設計のチップを持ち始めた【問い】顔ぶれが揃えば推論はGPUから移るのかこの発表で確かめられたのはどこまでか
※概念図(背景→問い):自前設計の AI チップを持つか開発を公表した顔ぶれに、OpenAI が加わった
背景

ChatGPT のようなサービスが利用者の問いを受け取って答えを返す処理を推論(inference)という。モデルを訓練する「学習」と対になる仕事で、利用者がサービスを使うたびに走るのはこちらのほうだ。その計算の多くは、NVIDIA が売る汎用の GPU が引き受けてきた。ところが近年、巨大テック各社は GPU を買うだけでなく、自社の用途に合わせたチップを自分たちで設計し始めている。OpenAI はそのなかで、計算資源を買う側に徹してきた。その OpenAI が、Broadcom と組んで初の自前チップを発表した。

AI を使う側にとっても、これは遠い設備投資の話ではない。推論がどのチップの上で回るかは、サービスの値段や供給に響きうる。自前チップの顔ぶれに OpenAI まで加わったこの発表は、「NVIDIA の GPU に頼る時代が終わる」という話として読まれやすい。

問い

この発表が確かめたのはどこまでか。そして、自前設計のチップの顔ぶれが揃ってきたことは、推論が NVIDIA の GPU からそちらへ移ることを意味するのか。公開済みの材料で言えるところまでを見る。

要点

どちらも、いま言えるところは狭い。公式が発表時に主張した優位は「電力あたりの性能」の一点にとどまる。2か月後に OpenAI が公表した比較値も、自社ラボでの測定である。公開済みの材料から確実に言えるのは、推論を回せるチップの選択肢が NVIDIA 一社の GPU 以外にも増えたことだけである。 OpenAI が6月24日に公開した Jalapeño は、LLM(大規模言語モデル)の推論に特化した設計だ。ただし実物はまだラボで動くサンプルの段階で、公式が書く初期展開の時期は2026年末である1。コストが約5割下がるという数字も公式発表ではない。同日の報道が、Broadcom の CEO の発言として伝えたものだ2。Google・Amazon・Microsoft・Meta も自前チップを持つか開発を公表しているが、そのどれも NVIDIA に取って代わってはいない3。「推論が2026年に AI 計算の約3分の2を占める」と予測した Deloitte 自身も、推論特化チップの市場は伸びると認めている。そのうえで、それが「エッジへ計算が移り、データセンターの計算が減る」ことを意味するという読みは、リード文で否定している4。

何が発表されたか

Jalapeño は OpenAI にとって初の独自シリコンである。重要なのは、OpenAI が過去の AI ワークロード向けの設計を転用せずに LLM(大規模言語モデル)推論のためにゼロから設計した点である。OpenAI によれば、同社はカーネル、メモリの動き、ネットワーク、モデルの配信パターンといった推論で効く部分に最適化した。狭い専用機という意味ではない。公式は「業界全体の現在・将来の LLM に対応する柔軟性」を掲げており1、ハードウェア責任者の Richard Ho も「非常に汎用的なデバイス」だと述べている2。OpenAI は、初期設計から製造テープアウトまで約9か月で、その過程で自社の AI モデルの助けを借りたとしている。OpenAI 自身はこの期間について「高性能先端半導体で史上最速の ASIC 開発サイクルだと我々は考えている」と書き添えている(第三者検証ではなく自己申告)1。SemiAnalysis は起点をチームの採用開始に置いて約16か月と数え、テープアウトを2025年11月としている5。

数字は早期段階の主張として読むべきものだ。発表時点の現物は、ラボで動くエンジニアリングサンプルである(production target の周波数・電力で ML ワークロードを実行、GPT‑5.3‑Codex‑Spark を含む)1。発表時点で公式が挙げたのは電力あたり性能の優位だけで、他社チップとの比較値は無かった。公式ページは、「主要な AI アクセラレータ並みの電力と処理量に、専用の推論システムに近い遅延を」というくだりも、達成ではなく目標として書いている。8月25日に OpenAI が公開した最初の測定では、SemiAnalysis の公開ベンチマーク InferenceX 上で NVIDIA の GB200/GB300 系に対し、電力あたりのピーク処理量が1.5〜1.9倍、エンドツーエンドの遅延が1.7〜3.6分の1だとしている1。ただし OpenAI はこの測定を自社のラボで行っており(SemiAnalysis は招かれて同社の技術者と共にベンチマークを回したと書いている)、比較相手は Blackwell 世代である。SemiAnalysis 自身は、HBM4 を積む Rubin 世代はすでに顧客へ出荷され始めている一方で Jalapeño はまだエンジニアリングサンプルの段階だとして、この比較を「不完全で不公平」と書き、比べるべき相手は Rubin だとしている。そのうえで同社は、NVIDIA と CoreWeave が7月に公表した Rubin の値と比べても電力あたりの出力トークン数で Jalapeño が上回り、コストあたりではほぼ互角だと書く(Jalapeño 側は投機的デコードなし、Rubin 側はありの値である)5。ただし SemiAnalysis によれば、数値は OpenAI が提供したもので、同社自身はラボで走行に立ち会って確かめたにとどまる。測ったのは単一ターンの 8k1k という設定だけで、長い文脈・多ターンの AgentX の結果は見ておらず、対象のモデルも最先端のものではない5。約5割のコスト削減については、報道が伝える比較対象は「一般的な AI GPU」というだけで、測定指標もワークロードも示されていない。値そのものも、Broadcom の CEO が「初期サンプルで出ている」と述べたもので、確定値ではない。なお、この数字を語った Broadcom の Hock Tan は Reuters に対し、Jalapeño を NVIDIA の Blackwell と Google の TPU に並ぶものと位置づけているが、これも数値の無い当事者の発言である2。

初期展開と、本格的な立ち上がりの時期は別である。 初期展開が2026年末というのは公式の表現で、公式ページ上の Hock Tan(Broadcom CEO)自身も、Microsoft らとのギガワット級データセンターの展開を「2026年に開始する」と述べている1。だが同じ Tan が発表当日 CNBC には、2026年後半にあるのは「小規模な試作開発」で、本格的な立ち上がりは2027年、フル稼働は2028年前半だと語っている6。2026年末に実機が広く回るという話ではない。

顔ぶれはすでに揃っている

Jalapeño は単独の事例ではない。Google は2026年4月、第8世代の TPU で学習用と推論用をチップごと分離し、推論専用の TPU 8i を発表した(CNBC が報じた時点では両チップとも提供は年内予定で、出荷済みではない)。Microsoft は2026年1月に第2世代の AI チップを、Meta は Broadcom と複数版の AI プロセッサを開発中だと公表している。採用も広がっている。Citadel Securities が TPU を使う定量リサーチ用ソフトを作り、米エネルギー省の全17国立研究所が TPU 上の AI コサイエンティストを使っている。ここまでは Google の申告である。複数ギガワット分の TPU 利用を約束した Anthropic のほうは、Google の申告としてではなく CNBC が書いている3。Amazon は2025年末の re:Invent で Trainium3 UltraServers の提供を発表し、Amazon Bedrock の本番ワークロードがすでに Trainium3 上で動いていると書いている7。推論向けと学習向けを別のチップにする構成も Google が初めてではなく、Amazon は推論向けの Inferentia を2018年、学習向けの Trainium を2020年に出している3。自前設計のアクセラレータで本番の推論を回すことは、もう構想ではない。

そのうえで、NVIDIA を置き換えた企業はまだ無い。第8世代 TPU を報じた記事は、Google が新チップを NVIDIA 製品と比較すらせず自社の前世代を基準に語っている(学習用は第7世代 Ironwood の2.8倍・同価格、推論用は80%向上という言い方である)ことを指摘し、巨大テック各社のいずれも NVIDIA を置き換えてはいない、と書いている3。これは Google に限らない。Amazon も Trainium3 UltraServers を前世代 Trainium2 比(演算4.4倍・電力効率4倍)で語り7、OpenAI は発表時、電力あたり性能が「現行の最先端より大幅に良い」とだけ述べて数値を出していなかった1。本稿が引いた3社のうち Google と Amazon は NVIDIA との比較値では語っておらず、OpenAI が8月に出した比較値は自社ラボでの測定である。 この3社について、第三者が自ら測って横並びで比べた材料は公開されていない。

しかも「推論特化チップ」は内製 ASIC の専売ではない。第8世代 TPU を報じた同じ CNBC 記事は、NVIDIA が新興の Groq との取引(CNBC の報道で200億ドル)で得た技術をもとに、モデルがユーザーの問いへ素早く応答できるシリコンを準備していると書いている。NVIDIA によれば、その Groq 3 LPU は SRAM を大量に積む3。ただしこの取引は会社ごとの買収ではない。NVIDIA の Jensen Huang は社内メールで「Groq の IP をライセンスし人材を迎えるが、会社としての Groq を買収するわけではない」と書いており、Groq 側も非独占のライセンス契約だと説明している(CNBC は資産の取得と報じており、呼び方は当事者側と一致していない)8。NVIDIA 自身も2026年2月提出の年次報告書で、非独占ライセンス契約と一部従業員の雇用であって顧客契約・既存製品・持分は取得していないこと、対価はクロージング時の130億ドルと1年以内に支払う40億ドル(帰属利息込み)であることを開示している8。その Groq 3 の LPX ラックは8月24日にフル生産に入ったと NVIDIA が発表し、同社の Dion Harris は「GPU を置き換える話ではなく、ワークロードの部分ごとに適した価格と処理装置を使う話だ」と述べている9。推論への傾斜は、NVIDIA から離れる動きと同義ではない。

「推論が2/3」は「GPUの置き換え」を意味しない

この流れの背景としてよく引かれるのが、AI 計算に占める推論の割合が2023年の約3分の1、2025年の約半分から2026年に約3分の2へ達するという Deloitte の予測だ4。だが、この数字を出した記事そのものの主題は「AI の次の局面は、より少ない計算力ではなく、より多くの計算力を要するだろう」である4。

同記事はまず、推論への移行は「推論だけに最適化した(おそらくずっと安い)チップ」を要し、それが巨大データセンターの外のエッジ機器に載るので、データセンターは小さく少なくて済み支出も減るのではないか、という読みを紹介する。記事のリード文は、このうち「より多くのエッジ計算」と「より少ないデータセンター計算」の二つに対して「2026年にはどちらも起こりそうにない」と断じている4。推論特化チップの市場は2026年に500億ドル超へ伸び、各社の推論向け ASIC の設計・製造・展開はすでに起きている、と同記事は認める。そのうえで、計算の大半は依然として、2000億ドル超の高価で電力を食う最先端 AI チップの上で実行されるとする。同記事によれば、そのチップが載るのは主に大規模データセンターと企業のオンプレ機材で、エッジ機器のチップの上ではない。市場は「どちらか」ではなく「両方」になりそうだ、というのが結論だ。「推論向けに最適化」が低消費電力を意味するとも限らず、推論のうちプリフィル(プロンプトを処理する段)向けに最適化し、HBM の代わりに GDDR7 を使う製品がラック1本あたり370 kW(同じ供給元の学習向け版の約3倍の電力密度)を要する例も挙げている4。

つまり、内製 ASIC の顔ぶれが増えることと、最先端 GPU の需要が減ることは、同じ話ではない。本稿が引ける範囲で確かなのは、推論の載る先が単一ベンダーの GPU だけではなくなったということまでだ。

作る側にとって何が変わるか

同じモデルを載せる先が NVIDIA の GPU 以外にも増えるとき、何を基準に選ぶか。


出典9件
  1. OpenAI, “OpenAI and Broadcom unveil LLM-optimized inference chip”(公式ブログ, 2026-06-24)。LLM 推論特化・初期設計から製造テープアウトまで9か月(自社モデルの助力)・2026年末に初期展開。設計の射程は Jalapeño is designed with flexibility to work with all LLMs guided by OpenAI’s insights into the inference needs of current and future AI models across the industry. と書く。発表ページで公式が述べる性能は「早期テストで電力あたり性能が現行の最先端より大幅に良い」「詳細な技術レポートは今後」までで、同ページに他社チップとの比較値は無く、「主要 AI アクセラレータ並みの電力・処理量に専用推論システムに近い遅延を」は目標として書かれている。発表時点の現物は Engineering samples of the Jalapeño chip are running ML workloads in the lab at production target frequency and power, including GPT‑5.3‑Codex‑Spark.、9か月の件には what we believe to be the fastest ASIC development cycle ever achieved in high-performance advanced semiconductors という自己申告が伴う。同ページ上の Hock Tan(Broadcom CEO)の引用は By co-developing our industry-leading silicon directly with OpenAI, we are enabling the deployment of gigawatt scale data centers with Microsoft and other partners beginning in 2026. で、公式ページ側の Tan は「2026年に開始」と述べている(同日 CNBC での「本格的な立ち上がりは2027年」とは重心が違う)。約50%のコスト削減はこのページには無い(50 percent % Bloomberg いずれも0件)。出所は 2 を参照。https://openai.com/index/openai-broadcom-jalapeno-inference-chip/ 発表の2か月後、OpenAI は続報 “Jalapeño’s first results show industry-leading speed and efficiency in AI inference”(2026-08-25)で最初の測定結果を公開した: Across all three, Jalapeño delivered 1.5 to 1.9 times more AI work per watt at peak throughput and 1.7 to 3.6 times lower end-to-end latency than the comparison systems.(we tested it on InferenceX, a public benchmark from SemiAnalysis。比較系は Appendix の package TDP: Jalapeño 700 W; GB200 1,200 W/GB300 1,400 W、電力は定格で正規化し Jalapeño is rated at 700 watts, although its measured sustained power remained at or below 550 watts on the workloads tested.)。同頁は We will continue to widely deploy accelerators from NVIDIA and other partners for both training and inference workloads. とも書く。上の「他社チップとの比較値は無い」は発表ページについての記述である。https://openai.com/index/jalapeno-first-results/ ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8

  2. Quartz(Cris Tolomia), “OpenAI unveils first custom-built AI chip designed with Broadcom”(2026-06-24, Yahoo 配信版)。The chip is built for inference — the process of responding to user queries in products like ChatGPT — and early samples are showing cost savings of roughly 50% compared with typical AI graphics processing units, Broadcom CEO Hock Tan said. と書く。約5割は初期サンプルでの値で、比較対象は「一般的な AI GPU」とだけ示されている。測定指標・ワークロード・コストの算定基準は報じられていない。同記事は OpenAI のハードウェア責任者 Richard Ho が Jalapeño を "a very general purpose device" "will address future LLM innovations." と評したことも伝える。また Tan が Reuters に対し Jalapeño を on par with two of the industry's most powerful AI accelerators: Nvidia's Blackwell line and the tensor processing units developed by Google と位置づけたことも書く(数値の無い当事者発言)。なお Bloomberg の当日記事本体には到達できていない(Are you a robot? の CAPTCHA)ため、本稿はこの数字を Bloomberg 発言として特定しない。本文が読める同日報道がこの Quartz 版である。https://tech.yahoo.com/ai/articles/openai-broadcom-jalape-o-custom-134833690.html ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  3. CNBC, “Google unveils chips for AI training and inference in latest shot at Nvidia”(2026-04-22)。Google が第8世代 TPU で学習用と推論用をチップごとに分離し、推論専用の TPU 8i(SRAM 384MB、Ironwood の3倍)を発表したことを報じる。ただし同記事には Both chips will become available later this year. とあり、報道時点では両チップとも未提供である。性能は自社前世代比でのみ語られる(the training chip enables 2.8 times the performance of the seventh-generation Ironwood TPU … for the same price, while performance is 80% better for the inference processor)。採用例のうち Citadel Securities と米エネルギー省の全17国立研究所は Google said の申告(Citadel Securities built quantitative research software that draws on Google's TPUs, and all 17 U.S. Energy Department national laboratories use AI co-scientist software built on the chips, Google said.)だが、Anthropic は帰属の付かない独立した一文である(Anthropic has committed to using multiple gigawatts worth of Google TPUs.)。Microsoft の第2世代 AI チップ(1月発表)と Meta の Broadcom との開発にも触れる。推論向けと学習向けの分離が新しくないことも同記事に在る: Amazon Web Services announced the Inferentia chip for handling AI requests in 2018/unveiled the Trainium processor for training AI models in 2020。同記事は「巨大テック各社のいずれも NVIDIA を置き換えてはいない」と明記しており、NVIDIA の推論シェアが下がるという予測は載せていない。むしろ同記事は、NVIDIA 自身が推論向けシリコンを準備していると書いている: In March, Nvidia talked up forthcoming silicon that can enable models to rapidly respond to users' questions, thanks to technology obtained in its $20 billion deal with chip startup Groq. / Nvidia said its upcoming Groq 3 LPU hardware will draw on large quantities of static random-access memory, or SRAM。同記事は「買収」とは書いておらず(acqui buy purchas takeover はいずれも本文0件)、$20 billion deal と書いたうえで CNBC 自身の別記事へリンクしている。その中身は 8 を参照。 https://www.cnbc.com/2026/04/22/google-launches-training-and-inference-tpus-in-latest-shot-at-nvidia.html ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5

  4. Deloitte, “Why AI’s next phase will likely demand more computational power, not less”(Deloitte Insights, TMT Predictions 2026, 2025-11-18)。AI計算に占める推論の割合が2023年の約3分の1、2025年の約半分から2026年に約3分の2へ達すると予測し、推論特化チップの市場も2026年に500億ドル超へ伸びるとし、各社の推論向け ASIC については have been designed, manufactured, and are being deployed in data centers and some edge devices と現在進行で書く。ただし同記事の主張は「安い推論特化チップへ移る」ではない。リード文は、推論への移行が「より多くのエッジ計算と、より少ないデータセンター計算」を意味するという読みに対して Neither is likely to happen in 2026. と断じ、計算の大半は依然2000億ドル超の高価な最先端 AI チップ上で実行される、市場は「どちらか」ではなく「両方」になる、と予測する。高価な最先端チップが載るのは主に大規模データセンターと企業のオンプレ機材で rather than on chips used in edge devices だとする。推論のプリフィル向けに最適化した GDDR7 採用の製品がラックあたり370 kW を要する例も挙げ(One recent product optimized for inference pre-fill compute avoids using HBM and uses GDDR7 instead, but each rack needs 370 kW)、買う側のコストについては leading-edge process wafers expected to cost 50% more(2026年)とも書く。いずれも2025年11月時点の予測であり、割合の分母(FLOPs/稼働時間/支出のいずれか)は明示されていない。さらに、同記事が「2023年の3分の1・2025年の半分」に付す脚注1は World Economic Forum 掲載の寄稿(Rodrigo Liang, 2025-01-03)で、そこにあるのは「2023年は学習:推論が約2:1」「2025年に推論が学習とほぼ並ぶ」「翌年には推論が支配的になり差は広がる」までである。2026年の「約3分の2」という数値は原典に無く(two-thirds は0件)、Deloitte 自身による数値化である。 原典は「AI ワークロード」の比、Deloitte は all compute の割合で、単位も一致しない。なお利害関係として、その寄稿の著者は推論向けチップを手がける SambaNova の共同創業者兼 CEO であり、同記事では自社製品の性能にも触れている(「GPU ベースの解の10倍の性能・約10分の1の電力」)(https://www.weforum.org/stories/2025/01/scaling-ai-without-breaking-the-grid/)。 https://www.deloitte.com/us/en/insights/industry/technology/technology-media-and-telecom-predictions/2026/compute-power-ai.html ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6

  5. SemiAnalysis, “OpenAI Jalapeño: Better Than Nvidia Blackwell”(2026-08-25)。OpenAI に招かれ同社のラボで InferenceX を回した記事で(OpenAI invited us to look at their chip, go to their labs to check out how real it is, and benchmark it with our InferenceX suite/we ran the benchmark with OpenAI engineers in the lab)、比較相手については we believe that comparison to Blackwell is somewhat incomplete and unfair. Jalapeño is really competing against chips like Rubin that also use HBM4. Vera Rubin systems are starting to ship to customers right now, while it will still be some time before OpenAI has anything beyond engineering samples of Jalapeño. と書く。そのうえで Rubin とも比べ、even when compared with Rubin, Jalapeño wins. OpenAI’s Jalapeño has STP output token throughput per MW surpassing Vera Rubin’s MTP results that NVIDIA and CoreWeave published in July./On perf/TCO, Vera Rubin and Jalapeño are head-to-head, producing almost the same number of output tokens per $./Jalapeño’s results are obtained without speculative decoding and Vera Rubin’s results use speculative decoding. と書く。同社が並べる留保は First, all numbers are provided to us by OpenAI. We verified the InferenceX runs in person in the lab, but we did not run the full suite of InferenceX benchmarks nor have we seen AgentX results./they’re just 8k1k, a much easier workload to tune for, and there are no AgentX runs yet./Third, the models being tested are not on the open frontier. である。開発期間は going from initial team hiring to manufacturing tape-out in ~16 months/OpenAI taped out Jalapeño in November 2025 と書く。https://newsletter.semianalysis.com/p/openai-jalapeno-better-than-nvidia ↩ ↩2 ↩3

  6. CNBC, “OpenAI unveils first chip as part of Broadcom deal in effort to ‘build the full stack’“(2026-06-24)。Hock Tan が発表当日、2026年後半は「小規模な試作開発」でそこから拡大し、2027年に本格的に立ち上がって2028年前半にフル稼働すると語ったことを報じる。公式の「2026年末に初期展開」は、量産・本格稼働の時期とは別物である。同記事はまた、Broadcom との共同チップが ASIC であり less flexible than Nvidia's GPU, but is also less expensive and can be designed for specific AI tasks だとする業界筋の見方を伝え、OpenAI が AWS(Trainium)・AMD・Cerebras とも契約していること(CNBC は AWS の契約を Earlier this year と書き、AMD・Cerebras の契約には時期を付けていない。AMD の agreements のリンク先は CNBC の 2025-10-06 の記事である)、その理由が it needs other sources of advanced silicon であることも書いている。https://www.cnbc.com/2026/06/24/openai-and-broadcom-reveal-jalapeno-first-ai-chip-in-partnership.html ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  7. Amazon, “Frontier agents, Trainium chips, and Amazon Nova: key announcements from AWS re:Invent 2025”(公式ブログ, 2025-12-04)。Trainium3 UltraServers(1筐体に最大144チップ、前世代 Trainium2 UltraServers 比で演算4.4倍・電力効率4倍)の提供に加え、Amazon Bedrock の本番ワークロードがすでに Trainium3 上で稼働していることを挙げる。コストは Customers including Anthropic, Karakuri, Metagenomi, NetoAI, Ricoh, and Splash Music are reducing training and inference costs by up to 50% with Trainium, while Decart is achieving 4x faster inference for real-time generative video at half the cost of GPUs と書く。5割は学習と推論の合算・「最大」値で基準線が示されておらず、比較対象が GPU だと明示されているのは Decart の半額・4倍速のほうである。 いずれも AWS 自身の発表であり、独立評価ではない。同じ発表は NVIDIA との併存も挙げる: P6e-GB300 UltraServers, featuring NVIDIA GB300 NVL72 の新インスタンスと、AWS AI Factories が combining NVIDIA GPUs, Trainium chips, AWS networking, and AI services であること。 https://www.aboutamazon.com/news/aws/aws-re-invent-2025-ai-news-updates ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  8. CNBC(David Faber), “Nvidia buying AI chip startup Groq’s assets for about $20 billion in its largest deal on record”(2025-12-24、2025-12-26 更新)。3 の $20 billion deal がリンクしている記事で、金額と中身はこちらに在る。Nvidia has agreed to buy assets from Groq, a designer of high-performance artificial intelligence accelerator chips, for $20 billion in cash, according to Alex Davis, CEO of Disruptive, which led the startup's latest financing round in September. と書く。200億ドルという額は、CNBC が投資家の発言に基づいて報じたものである。当事者2社の説明は取得ではなくライセンスで、Groq は entered into a non-exclusive licensing agreement with Nvidia for Groq's inference technology(価格は非開示)と述べ、Groq added that it will continue as an "independent company,"。NVIDIA の Jensen Huang は社内メールで While we are adding talented employees to our ranks and licensing Groq's IP, we are not acquiring Groq as a company. と書いている。∴「NVIDIA が Groq を買収した」は当事者が名指しで否定している言い方であり、CNBC の報じ方(資産の取得)と当事者の説明(非独占ライセンス)も一致していない。 https://www.cnbc.com/2025/12/24/nvidia-buying-ai-chip-startup-groq-for-about-20-billion-biggest-deal.html なお NVIDIA 自身は FY2026 Form 10-K(2026-02-25 提出)の Note 2 で In December 2025, we entered into a non-exclusive license agreement with Groq, Inc., or Groq, for its language processing unit technology and hired certain Groq employees. No customer contracts, existing products, or equity interests were purchased. と書き、対価を Total consideration consists of $ 13.0 billion paid at closing and $ 4 billion, inclusive of imputed interest, payable within one year と開示している(20 billion は 10-K 全文で0件)。https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1045810/000104581026000021/nvda-20260125.htm ↩ ↩2 ↩3

  9. CNBC(Kif Leswing), “Nvidia says Groq racks will be online this year following $20 billion purchase”(2026-08-24)。Nvidia announced Monday that its Groq 3 LPX rack is in full production で、ラックは Nebius で will be online later this year, Nvidia senior director Dion Harris told reporters。Harris の発言は "This isn't about replacing GPUs," Harris said. "It's about using the right price, right processor for the right part of the workload."。同記事も取引を bought assets from Groq for $20 billion・largest-ever acquisition と書いており、8 の当事者説明・10-K の開示額とは一致しない。https://www.cnbc.com/2026/08/24/nvidia-says-groq-racks-will-be-online-this-year-after-20-billion-deal.html ↩

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