凸包
AIが物理世界について「知っている」とはどういうことか——「新材料を発見した」と言うとき何が計算されていて、その正しさは何を基準に確かめられるのか
- 到達点
- 「AIが220万個の新材料を発見」型の見出しを「あるモデルが、DFTで計算した凸包より下に点を予測した」まで自力で分解し、予測→合成候補→独立検証(220万→38万→736)と現実に近づくほど数字が桁で縮む漏斗の、どの段の主張かを言える能力
- 扱わないこと
- DFTの数理そのもの(「近似であって現実の測定ではない」という位置づけまで。導出は教科書へ)/スクリーニングの一般作法・能動学習(シリーズ「コンピュータで材料を探す」の領分)/合成実験の方法論(A-Labは検証事例として引くのみ)
- 材料の安定性は凸包で決まる——競合配置との相対値
AIが「新しい材料を発見した」と言うとき、実は何を計算しているのか。結晶の安定性は内在的な性質ではなく、競合する全配置に対する相対値——凸包だ。シリーズ『凸包』の導入。
- 原子の基盤モデル——ニューラルネットに力を覚えさせる
DFT は正確だが遅い。何百万もの候補をふるうには遅すぎる。そこで結晶をグラフとして読み、エネルギーと力を予測するニューラルネット——機械学習原子間ポテンシャル——が登場する。LLMの事前学習と分布シフトが、原子の世界でそっくり再演される。シリーズ『凸包』より。
- 220万個の新材料——検証で736件まで縮んだ数字
2023年、あるAIが「人類の知る安定材料を一桁以上増やした、220万個」と発表した。報道は沸いた。そして材料化学者たちが、中身を見にいった。予測から「本当に作れる新材料」までの落差——これがシリーズの山場。