AI・信頼性・評価
エージェントのPRはどこで止まるか。不採用の内訳を数える
目次
エージェントが開いたプルリクエスト(PR)の中には、一定期間やりとりが途絶えたために、自動で閉じられたものがある。放置による自動クローズだ。Abujadallah らはマージに至らなかった修正系PR 306件を人手で読み、うち53件(17.3%)がこれにあたると数えた1。著者らは、この53件を実装の問題としては数えず、時間がたつうちに修正の意味が薄れたものとしている。レビューが一度も付かないまま閉じたPRは、別の研究(Alam ら)が放置とは別の理由として数え、4.6%だった2。
放置による自動クローズは、コードを書く工程の外側で起きている。エージェントが書いた変更は、PRという提案の形にまとまる。人がそれを読み、直し、取り込むか見送るかを決める。人が取り込んで初めて、その変更は仕事になる。誰も読まないまま古くなる。似た変更と重なる。この二つは、コードの中身とは別の理由で、書いた変更を無駄にする。機械の判定に引っかかって止まる場合は事情が違う。テストの失敗は、提案した変更が既存のテストを落としたか新たな失敗を持ち込んだことを指し2、変更そのものの問題を示す場合がある。
ソフトウェア開発にAIを入れる話は、たいてい「どれだけ良いコードを書けるか」という形で進む。書いた行の正しさ、通ったテストの数、解いた課題の割合。そこが測りやすいからだ。だが放置で閉じた53件は、そのどれにも現れない。マージに至らなかった提案の山を、理由ごとに分けて数える作業が要る。理由が記録に残っていない場合が多いことも、含めて数える。
エージェントが書いた変更は、どこで無駄になっているのか。マージに至った割合と、不採用の理由の内訳から読む。
GitHub上で、人間ではなく Copilot や Devin のようなエージェントが作者として開いたPRを「エージェント作成PR(agentic PR)」と呼ぶ。これを集めたデータセット AIDev を土台に、2026年に複数の実証研究が出た。そこで見えるエージェントPRの評価は、「このモデルは何%通るか」という問いから離れ、リポジトリ運用との噛み合わせを測る側へ動いている。生のマージ率はエージェントによって倍以上に開くが、タスク構成に交絡して層別なしには比べられず3、順位は調整の仕方で入れ替わる4からだ。ただし、不採用の原因を出力と運用のどちらに置くかは決着していない。重なる母集団から別々に標本を引いた二本が最頻の理由で割れ21、不採用のうち真にエージェント側の失敗といえるのは3分の1ほどで、判断の理由が記録から読み取れないものも3件に1件ある5。損失の相当部分は、コードの欠陥では説明がつかない。そこには、ディスパッチ側の設定で今日手を入れられる。
不採用の内訳を数えると、重複とテストが上に来る
サスカチュワン大学の Alam らは、AIDev の人気リポジトリ部分集合(AIDev-POP)から、5つのコーディングエージェントが書いた修正系PR 8,106件を取り出した。うち65.0%はマージされ、26.1%(2,113件) はマージされないままクローズされている。この2,113件から95%信頼水準・許容誤差5%で無作為抽出した326件を、延べ約100人時かけて人手で読み、12の不採用理由として体系化した2。
最も多かったのは、同じ問題が別のPRで先に解決済みだったこと、つまり重複であり、22.1%(72件) を占める。次がテストケースの失敗の 18.1%(59件) だった。ただしこの59件のうち50件は Codex のPRで、標本に入った Codex の91件では54.9%がテスト失敗だった。原典はこれを、Codex の不採用がレビューや優先度ではなく検証の側で起きていることの表れと読む2。残る4エージェントでは、テスト失敗は235件中9件にとどまり、ビルドとデプロイの失敗を合わせた8件とほぼ同じ規模になる。全体でも、ビルドの失敗は2.1%、デプロイの失敗は3.1%と比較的まれだ。手を入れる先は、実行基盤よりも、まず出す前の重複の管理にある。Codex のように、落ちるときはテストで落ちるエージェントでは、テストがそれに並ぶ。
Abujadallah らは、Copilot・Devin・Cursor・Claude の非マージの修正系PR 306件を対象に、14の理由を4つの上位カテゴリへまとめた1。修正の妥当性が失われる(relevance)、実装が不正確、エージェント側の実行失敗(provider)、技術的な問題(CI)の4つである。最多は妥当性のカテゴリで 24.8%(76件)、その中身は放置による自動クローズが 17.3%(53件)、別のPRに置き換えられた superseded が 5.9%(18件) だった。実装の不正確さは合わせて10.1%(31件)、技術的な問題は22件(7.2%)で、その大半は CI 失敗の21件(6.9%)だ。さらに306件のうち 151件(49.3%) は、不採用の明確な理由が読み取れず分類できていない。この研究では、これらのエージェントが提案した修正の 46.41% が不採用になっている。処方も具体的で、実装方針のヒントを与える、避けるべき制約を明示する、破壊的変更を持ち込まず CI を通すよう指示する、の3点だ。著者らはあわせて、修正すべき課題に優先順位をつけて重複や放置されるPRを作らないことを求めている。著者らによれば、重複や放置されるPRは人間のレビュー工数を浪費するだけでなく、トークン・計算資源・リクエスト上限といったエージェント側の資源も浪費する1。
「不採用=エージェントの誤り」ではない
MSR 2026 に採択された Peralta らの研究は、逆向きの問いを立てた。不採用PRを「エージェントの失敗」として数えてよいのか、である5。クローズ済みのエージェントPR 11,048件から、人間のレビューが介在した9,799件を絞り込み、代表事例717件を人手で精査した。
不採用PRの内訳は次のとおりだ。不採用のうち、真にエージェント側の失敗といえるのは 35.7%。31.2% はワークフロー上の制約による不採用である。これは、方針や運用の都合により、コードの良し悪しとは別の理由で閉じられたPRを指す。そして残る 33.1% には、判断理由が観測できる形で残っていない。3件に1件は、なぜ落ちたのかがリポジトリの記録から読み取れないということだ。著者らはここから、不採用という結果はエージェントの誤りを「大幅に過大評価している」と述べ、マージ/不採用のラベルだけでは、レビューの相互作用を見ない限り性能評価として不完全だと結論する5。
マージ側も一様ではない。マージされたPR 364件のうち、レビュアーの明示的な関与を必要としたのは 15.4% にとどまる。ここでいう関与は、レビュアーのフィードバック、あるいはレビュアーによる直接のコミットを指す。逆に 79.1%(288件) は、レビュアーとのフィードバックループが一度も観測されないままマージされていた(残る5.5%は、痕跡が乏しく判定できなかったものだ)5。エージェント別の差も大きい。Codex は167件中165件、Cursor は33件中30件がこの「ループなし」に入る一方、Copilot は49件中11件にとどまる。Copilot と Devin はレビュアーが介在するワークフローに組み込まれることが多く、Codex と Cursor は最小限のやりとりでマージされる傾向にあった。同じ「マージ率」でも、その裏で人間がどれだけ手を入れたかは揃っていない。
並走するPRは、珍しくない
Xu らは、AIDev-pop の33,596件のPR/2,807リポジトリを対象に、「co-active(同時活動)」なPRペアを数えた6。co-active なPRペアとは、同じリポジトリで、オープンからクローズまでの期間が重なっている、エージェント作成PR同士の組を指す。
重なりは広く観測された。40.2% のリポジトリが厳密な時間的重なりを持つ co-active ペアを含み、1週間の窓まで緩めると 53.4%。PR単位で見ると、全エージェントPRの 79.4% が厳密重なりの co-active ペアの内側にあり、週次窓では 95.0% に達する6。エージェントに仕事を投げる現場では、複数の作業が並走しているのが常態だということだ。
そして重なりの大半は、同じエージェント同士だった。エージェントをまたぐ重なりは、co-active ペア 580,913 組のうち 2,896 組(0.50%)、リポジトリでは 122/2,807(約4.3%)にとどまる。同一エージェント同士が co-activity の 99.5% を占める。ただしマージ競合率は、エージェントをまたぐペアで 41.7%、同一エージェント内のペアで 19.8% と倍ほど開き、95%信頼区間は重ならない。しかもこれは git のテキスト競合だけを数えた下限で、ビルド競合や意味的な競合は含まない6。競合に関与したファイルの 84.4% はソースファイルで、依存関係のマニフェストやロックファイルは3.9%だった。競合の種類は 42%近くが modify/delete や add/add といった構造的なものだった。つまり、まれだが起きたときに重いのがクロスエージェントの衝突で、頻度で効くのは同一エージェントの自己衝突である。前節で Alam らが数えた「先に別のPRが解決済み」という不採用理由は、この時間的な重なりとは別の指標である2。Xu らは重なったPRが同じ課題を解いていたかを測っておらず、重なりが重複による不採用を生んだとまでは言えない6。
マージ率は、比較指標として壊れている
ではエージェントをマージ率で並べればよいか。Pinna らのタスク層別の比較研究は、受理率を左右する支配的な要因がタスクの種類であることを示した。ドキュメント作業の受理率 82.1% に対し、新機能は 66.1%。この 16ポイントの差は、ほとんどのタスクでエージェント間の典型的な差を上回る(種別全体では、最高の chore 84.0% と最低の perf 55.4% で 29ポイント開く)3。しかも、すべてのタスク種別で最良の単一エージェントは存在しない。カテゴリ別に見ると、修正は Codex の 83.0% が首位で Cursor が80.4%、Devin は45.6%まで落ちる。ドキュメントは Claude Code の 92.3%、機能追加も Claude Code の 72.6% が上に来る。ただし Claude Code は全7,156件中139件しか標本がなく、原典自身が「標本が少ない」と断り、92.3%のセルには「20件未満」の印を付けている3。むしろ原典が実務向けに書いているのは逆向きの読みだ。エージェントの選択が効くのは修正とテストであり、ドキュメントではどのエージェントも79%超で差がほとんど無い3。
順位そのものが物差しで動くことも、出典の中で確かめられる。Mazloomzadeh らの生のマージ比率では Codex(90.0%)が首位だが、同じ論文がリポジトリの規模や複雑さを調整して推定した確率では Claude(84.3%)と首位が入れ替わる4。修正系PRだけに絞った Alam らの集計ではさらに動き、Codex 81.6% が1位、Claude Code は57.4%(66/115)で3位に落ちる2。層別研究は、生のマージ率比較はタスク構成に大きく交絡しており、意味のある比較には層別が要ると結論している3。
Polytechnique Montréal のグループも同じ方向を、より大きな標本で裏づけている。489のPythonリポジトリ/220,612件のクローズ済みPRを分析対象とし、うちエージェントが書いたものは 9,428件だった。マージ率が高い(0.80以上、しばしば0.90超)タスク種別として挙がったのは、GitHub Actions のワークフロー、CI/ビルド、アセット管理、依存関係の更新、フック管理、ライセンス遵守、トークン管理である。誤字修正とドキュメントも高い側に入る4。低いのは「LLM統合」、モデル評価、JSONテンプレートだ。「関数実装」は原典の中で扱いが割れており、四半期別の3帯分類では中位帯(0.60〜0.80)に置かれる一方、正規化マージ比の比較と Finding 5 では低い側に挙げられている。原典の図7が印字する平滑化したマージ比は0.62で、中位帯の下端にあたる4。実際に投げられているタスクの構成は、ドキュメントが最大で、依存関係管理、テストが続く。加えて、エージェントPRの欠陥混入しやすさは人間のPRと同等かむしろ低く、差の多くは統計的に有意でなかった4。
三つの読みは、まだ噛み合っていない
ここまでの証拠は、一つの結論に収束していない。Alam らは不採用理由の上位に重複(22.1%)とテスト失敗(18.1%)を並べる2。Abujadallah らは同じ AIDev の非マージPRを別の枠組みで符号化し、分類できた理由の最多を「妥当性の喪失」(24.8%、うち放置が17.3%)とし、そもそも不採用の理由が読み取れなかったものが49.3%あると数えた1。二本は大きく重なる母集団を見ながら、何を最頻とするかで割れている。「エージェントの出力を直せ」と読めるのは、Abujadallah らの側では実装の問題10.1%と技術的問題7.2%を足した17.3%に限られる。Peralta らは、不採用ラベルがエージェントの誤りを過大評価していると読む。これは、ワークフローを直せという読みになる5。そして Mazloomzadeh らと層別研究は、マージ率が人間並みかそれ以上で欠陥も同等以下、タスク構成がすべてを交絡させると言う。これは、そもそも何かを結論づけるのに慎重であれという読みである43。
この不一致は、標本と符号化の違いからも来る。いずれも AIDev というデータセット族に依拠している。しかも Alam らと Abujadallah らの二本の関係は、「族」よりも近い。Abujadallah らが母集団とした非マージPR 1,497件は、Alam らが数えた非マージ2,113件から Codex 分を除いた集合と一致する(713+675+84+25=1,497。マージ済みを足した3,225が分母で46.41%)21。ただし標本は別々で、Alam らが読んだ326件には Codex のPRが91件入り、Abujadallah らは Codex を除いた1,497件から306件を引いた21。重なる母集団から別々に抽出・符号化した結果、最頻理由は「別PRで解決済み22.1%」と「放置17.3%」に割れた。理由の読み取れなさにも開きがある。Abujadallah らは49.3%に理由を付けられず、Alam らが説明なしのクローズとして数えたのは4.0%だった12。何を「失敗」と数えるかの基準が研究ごとに違うことは、一般論ではなくこの二本の間で実際に起きている。人手で読まれたPRも326件・306件・717件と数百件規模だ。
対象も偏っている。この偏りは一部の研究に限らない。Peralta らはスター500以上、Alam らと Abujadallah らが使う AIDev-POP はスター100以上、Mazloomzadeh らはスター100以上の Python リポジトリに絞っている5214。本稿が引いた数字は、すべて「人気のあるOSSリポジトリ」から得たものである。Xu らの生の co-active ペアにいたっては、上位10リポジトリだけで91.4%を占める(著者らはリポジトリ単位とPR単位の両方で正規化して対処している)6。著者自身が挙げる限界も具体的で、Mazloomzadeh らは「スターの少ない、あるいは新しいリポジトリには一般化しないかもしれない」こと、オープンPRを除外していることを断っている4。出典の成熟度も揃っていない。本稿が引いた研究のうち、MSR の会議録に採録されたものは脚注に DOI を併記した。DOI の無いものは、本稿の時点では査読前のプレプリントである。だから以下の実務指針は、「証明された法則」ではなく「損失の出やすい場所の地図」として読むのが正しい。
実務で何を見るか
重要なのは、上の不一致がどう決着しても変わらない部分がある点だ。テスト失敗も重複も投げるタスクの選び方も、エージェントの賢さを待たずに、こちらのディスパッチ側で今週変えられる。
- 投げる前に、重複を潰す。 リポジトリの40.2%が時間的に重なるエージェントPRのペアを抱えており、PR単位で見れば全体の79.4%が別のPRと同居している。その大半は同一エージェント同士だ6。不採用理由の最多も「別のPRで先に解決済み」(22.1%)で2、別の符号化でも superseded が第2のサブテーマに立つ1。issue に担当を宣言(claim)させ、同一ファイル群を触る作業を同時に走らせない。手段はロックでもキューでも構わないが、並走の可視化をハーネス側に持たせる。クロスエージェントの競合率が41.7%と高い以上、複数種のエージェントを同じリポジトリに同時投入するなら、担当領域は分けたほうがいい6。
- CIが緑であることを、レビュー要求の前提条件にする。 テスト失敗は不採用理由の第2位(18.1%)で重複に次ぐが、その大半は Codex 1体から来ている2。Codex を含まない母集団を読んだ Abujadallah らでは、CI 失敗は306件中21件(6.9%)にとどまる1。それでも、レビュアーが赤い CI を発見する運用は、人間の時間とエージェントの資源を両方捨てている。エージェントには「破壊的変更を持ち込まず CI に照らして検証してから出す」ところまでを指示に含める。Abujadallah らもこれを推奨している1。ビルドの失敗は2.1%、デプロイの失敗は3.1%とまれなので、Codex を使うなら、優先度はテスト側に置いていい2。
- 勝てるタスク種別から投げる。 CI/ビルド設定、依存関係の更新、ワークフロー、ライセンスやトークンの管理、それにドキュメントと誤字修正は、マージ率0.80以上で通る4。一方でLLM統合とモデル評価は下位にある。「関数実装」の評価は原典内で割れており、内訳は脚注に記した。層別研究でも、ドキュメント82.1%に対し新機能66.1%で、この差はエージェント間の差より大きい3。エージェント導入の初手を新機能開発に置くのは、受理率の低い種別から始める選択にあたる。
- レビュアーを名指しで割り当てる。 不採用の33.1%には判断理由が記録に残っておらず、マージ側では79.1%が、人間のコメントは付いていても、レビュアーとのフィードバックループを一度も経ずに通っている5。放置による自動クローズは、別の研究では最大のサブテーマ(17.3%)に立つ1。誰が見るかを決め、落とすなら理由を書く。これだけで、次のディスパッチに渡せる情報が生まれる。
- 生のマージ率でエージェントを順位づけない。 タスク構成による交絡が大きく、種別ごとに最良のエージェントは入れ替わる3。比較するなら、自分のリポジトリで実際に投げているタスク種別ごとに層別して測る。
エージェントPRの評価は、「このモデルは何%通るか」という問いから離れつつある。生のマージ比率は37.8%から90.0%まで開き、首位は人間の84〜86%を上回る。欠陥の出やすさは同等以下だ4。それでいて、不採用の3分の1には理由が残っておらず、マージの8割はレビューの往復を経ていない5。この組み合わせが意味するのは、指標が測っているのがエージェントとリポジトリ運用の噛み合わせだということだ。そして噛み合わせには、モデルの更新を待たずに、ディスパッチ側から手を入れられる。
出典6件
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Mahmoud Abujadallah, Ali Arabat, Mohammed Sayagh, “Understanding the Rejection of Fixes Generated by Agentic Pull Requests — Insights from the AIDev Dataset”(arXiv:2606.13468, 2026年6月投稿。MSR 2026 採択・DOI https://doi.org/10.1145/3793302.3793592)。対象は Codex を除く4エージェント(Copilot・Devin・Cursor・Claude)の非マージ fix PR 1,497件で、マージ済みを含む3,225件の46.41%にあたる。ここから95%信頼水準・許容誤差5%で抽出した306件を分析し、理由を14サブテーマ・4カテゴリに整理した。件数は「妥当性の喪失」76件(24.8%。うち放置53件17.3%、superseded 18件5.9%、低優先度3件1.0%ほか)、「実装の問題」31件(10.1%)、「provider 起因の実行失敗」26件(8.5%)、「技術的問題」22件(7.2%。うち CI失敗21件6.9%、破壊的変更1件0.3%)、そして明確な理由が読み取れず分類できなかったものが151件(49.3%)。分類できた理由の最多は「妥当性の喪失」であり、151件の「明確な理由なし」は理由の分類ではなく分類不能の残余である。原典本文は “Relevance-related issues are the most common reason for rejecting AI-agent fixes” と明示する。実装方針のヒント提示・避けるべき制約の明示・破壊的変更なしで CI を通す指示を推奨し、課題に優先順位をつけて重複や放置PRを作らないことが、人間のレビュー工数とエージェント側資源(トークン・計算・リクエスト上限)の双方の浪費を防ぐと述べる。なお対象の1,497件は、
[^unmerged]の Table 1 から Codex を除いた非マージPR(713+675+84+25)と一致する。https://arxiv.org/abs/2606.13468 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 -
Khairul Alam, Saikat Mondal, Banani Roy(University of Saskatchewan), “Why Are AI Agent Involved Pull Requests (Fix-Related) Remain Unmerged? An Empirical Study”(arXiv:2602.00164。MSR 2026 採択・DOI https://doi.org/10.1145/3793302.3793611)。AIDev-POP データセットから、5つのAIコーディングエージェントが作成した修正系PR 8,106件を対象とする。内訳はマージ5,267件(65.0%)/非マージクローズ2,113件(26.1%)/オープン726件(8.9%)。エージェント別では Codex 4,338件中3,539件(81.6%)、Copilot 1,993件中845件(42.4%)、Devin 1,249件中536件(42.9%)、Cursor 411件中281件(68.4%)、Claude Code 115件中66件(57.4%)がマージされている。非マージ2,113件から95%信頼水準・許容誤差5%で無作為抽出した326件を約100人時かけて人手分析し、12の不採用理由の体系を提示した。最頻の原因は「別のPRで先に解決済み」(RAPR)の22.1%(72件)で、原典本文は “This is the most frequent cause” と明示する。次点がテストケースの失敗18.1%(59件)、以下、不正確・不完全な修正15.3%、放置9.2%と続き、ビルド失敗2.1%・デプロイ失敗3.1%は比較的まれ。Table 2 のエージェント別では、テストケースの失敗59件のうち50件が Codex で、原典は “For OpenAI Codex, failures are dominated by test case failures (50 out of 91, 54.9%), indicating validation-related issues rather than review or prioritization” と書く。Codex を除く4エージェント(Claude 18件・Copilot 148件・Cursor 19件・Devin 50件、計235件)の列を本稿が足し合わせると、テスト失敗9件(3.8%)、ビルド失敗3件、デプロイ失敗5件、RAPR 64件(27.2%)になる。https://arxiv.org/abs/2602.00164 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15
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Giovanni Pinna, Jingzhi Gong, David Williams, Federica Sarro, “Comparing AI Coding Agents: A Task-Stratified Analysis of Pull Request Acceptance”(arXiv:2602.08915, 2026年2月公開・v2は5月改訂。MSR 2026 採択・DOI https://doi.org/10.1145/3793302.3793576)。受理率はタスク種別に強く依存し、ドキュメント82.1%に対し新機能は66.1%で16ポイントの差。この差は「ほとんどのタスクについて」エージェント間の典型的な差を上回る。種別全体では最高(chore 84.0%)と最低(perf 55.4%)で29ポイント開く。全タスク種別で最良の単一エージェントは存在せず、カテゴリ別では修正が Codex 83.0%(Cursor 80.4%、Devin 45.6%)、ドキュメントが Claude Code 92.3%、機能追加が Claude Code 72.6%。ただし原典は要旨と結論で「Cursor が fix で excel(80.4%)」と書く一方、結果節は “leads in fix (83.0%)” として Codex を首位に置き、実務含意節も “Cursor 80.4%, Codex 83.0%” と並べる。本稿は結果節を採った。標本は Devin 2,252件/Copilot 2,194件/Codex 2,002件/Cursor 569件/Claude Code 139件の計7,156件で、Claude Code の92.3%・72.6% には原典自身が「標本が少ない」と注記している。Fig. 2 は92.3%のセルに「†」(<20 PRs)を付け、72.6%には付けていない(Table 3 で Claude Code のdocsは9.4%†)。実務含意では、エージェント選択が効くのは修正とテストで、ドキュメントは差がほとんど無い(>79%)とする。生のマージ率比較はタスク構成に大きく交絡しており、意味のある比較には層別が必要と結論する。https://arxiv.org/abs/2602.08915 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8
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Iren Mazloomzadeh, Mohammad Mehdi Morovati, Foutse Khomh(Polytechnique Montréal), “How Do AI Coding Agents Contribute to Software Development? An Empirical Study of Agentic Pull Requests”(arXiv:2607.21832, 2026年7月公開)。AIDev を用い、489の Python リポジトリ・220,612件のクローズ済みPRを分析。エージェント別の生のマージ比率(Table 1 の件数から算出)は Codex 90.0%(5,451/6,057)/Claude Code 75.8%(166/219)/Copilot 69.4%(874/1,259)/Cursor 53.8%(291/541)/Devin 37.8%(512/1,355)、全体77.3%(7,293/9,428)。これとは別に Table 3 が、リポジトリ特性を調整した GLMM の推定周辺平均(EMM)を Claude 84.3%/Codex 73.5%/Cursor 63.9%/Copilot 59.6%/Devin 43.0% と報告する。原典は「生の観測比率ではない」と明記しており、生比率とは首位が入れ替わる(Codex が使われるのは274リポジトリ、Claude は50で、Claude 採用リポジトリのほうが大きく複雑だと原典は説明する)。人間作成PRの四半期マージ率は 0.850/0.840/0.856/0.853(84.0〜85.6%)。エージェント側の四半期変動は EMM で65.4%/63.7%/68.2%/67.7% と小さい(人間側は生比率、エージェント側は調整済み推定である点に注意)。分析対象220,612件は人間PRを含む全クローズ済みPRで、エージェントPRは9,428件。マージ比0.80以上(しばしば0.90超)は GitHub Actions ワークフロー、CI/ビルド、アセット管理、依存関係更新、フック管理、ライセンス遵守、トークン管理で、誤字修正とドキュメントも高い。低いのは「LLM統合」・モデル評価・JSONテンプレート。「関数実装」は原典の中で扱いが割れており、四半期別3帯分類では中位帯0.60〜0.80だが、正規化マージ比の比較と Finding 5 では一貫して低い側に挙げられている。投入タスクの構成はドキュメントが最大で、依存関係管理、テストが続く。エージェントPRの欠陥混入しやすさは人間PRと同等かより低く、差の多くは有意でない。限界として著者らが明記しているのは、スター100以上のリポジトリに限るため「スターの少ない、あるいは新しいリポジトリ」には一般化しない可能性、オープンPRを除外していること、SZZ によるバグ混入コミット同定、対象5エージェント以外への一般化。Python 限定と GitHub 限定については、著者らは「他言語にも一般化すると期待する」「GitHub は代表的で適切」として、限界ではなく擁護の立場をとっている。https://arxiv.org/abs/2607.21832 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10
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Peralta, Hoshi, Washizaki, Ubayashi, Kondo, Higo, Mukai, Yoshida, Kusama, Tanaka, Fan, “Why Are Agentic Pull Requests Merged or Rejected? An Empirical Study”(arXiv:2605.22534, 2026年5月投稿。第23回 Mining Software Repositories 会議=MSR 2026 に採択・DOI https://doi.org/10.1145/3793302.3793575)。スター500以上のリポジトリのクローズ済みエージェントPR 11,048件から人間のレビューが介在した9,799件を絞り、代表事例717件(不採用353件・マージ364件)を人手で精査した。不採用のうち真にエージェント側の失敗は35.7%(126件)、ワークフロー上の制約が31.2%(110件)、判断理由が観測できないものが33.1%(117件)。マージ済み364件の内訳は、フィードバックループ7.7%(28件)/レビュアーの直接コミット7.7%(28件)/フィードバックループなし79.1%(288件)/痕跡が乏しく判定不能5.5%(20件)。エージェント別では Codex 167件中165件、Cursor 33件中30件が「ループなし」で、Copilot は49件中11件にとどまる。Copilot と Devin はレビュアー介在型のワークフローに組み込まれることが多く、Codex と Cursor は最小限のやりとりでマージされる傾向。著者らは不採用という結果がエージェントの誤りを「大幅に過大評価している」とし、マージ/不採用のラベル単体ではレビュー相互作用を欠いた不完全な性能評価だと結論する。https://arxiv.org/abs/2605.22534 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8
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George Xu, Arjun Subramanian, Nithilan Karthik, “AI Agent Pull Requests on GitHub: Frequency, Structure, and Merge Conflict Rates”(arXiv:2607.04697, 2026年7月公開・v2)。AIDev-pop の33,596件のPR・2,807リポジトリを対象に、時間的に重なるエージェントPRのペア(co-active pair)を計測。厳密な重なりを持つリポジトリは40.2%、1週間窓では53.4%。PR単位では79.4%(厳密)/95.0%(週次窓)が co-active ペアの内側にある。重なりの99.5%は同一エージェント同士で、エージェントをまたぐ重なりは co-active ペア580,913組のうち2,896組(0.50%)・122リポジトリ(約4.3%)のみ。マージ競合率はクロスエージェント41.7%、同一エージェント19.8%で95%信頼区間は重ならない(いずれも git のテキスト競合だけを数えた下限値で、原典は “conservative lower bound” と明記する)。競合に関与したファイルの84.4%はソースファイル、依存関係のマニフェストとロックファイルは3.9%。競合の種類は content 57.6%、modify/delete 26.8%、add/add 15.1% で、構造的競合が42%近くを占める。生の co-active ペアは上位10リポジトリだけで91.4%を占めるため、著者らはリポジトリ単位とPR単位の両方で正規化している。https://arxiv.org/abs/2607.04697 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7
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